第20話 あなたをしばるわたし ページ22
季節はもう春。
今日、私は高校を卒業した。
特に仲の良い友達もいなかった私は誰もが生徒会長の完璧な答辞に思い出を胸に馳せながら涙を流す中、共に涙を流す事も出来ず、一人他の事を考えていた。
その中でも上部ぐらいで仲が良かったと言えそうな友達(仮)と写真を撮り別れを済ませてからお母さんとお父さんと合流する。
「おめでとう、A。」
「おめでとう。」
お母さんとお父さんが私に微笑む。
『うん。ありがとう……お父さん、お母さん。』
ここまで私を育ててくれた両親には感謝してもしきれない。
お母さんが私に厳しく指導してくれたのも今となっては有り難いものになっていた。
もうお母さんから指導を受ける事もなくなるんだ……と思うと急に胸がきゅうっと苦しくなる気がした。
私は近々、お母さんとお父さん、そして漣にも……お別れをしなければならない。
私は4月にアメリカへ海外留学するつもりで、本格的にピアニストを目指す計画を立てていた。
日本で蓄えた経験がそこでも通用するのか、私が学んできたものとどんな違いがあるのか、それを知る為にも海外に渡りたいと考えていた。
漣にももうその事は伝えてある。
どのくらい会えなくなるかも分からない……。
それでも私がピアニストの道を目指す事を応援してくれたし、待ってると言ってくれた。
私も漣と会えなくなるのは寂しいけど、待ってくれると言ってもらった私が頑張らないわけにはいかない。
家に帰ってスマホを確認すると漣からメッセージがきていた。
(A、卒業おめでとう。)
((ありがとう。3年っていっても早かったなー……。))
(そうだね……せっかくAに追いつけると思ったらまた離れていくし。早く追い越したい笑)
((それは無理だよ笑 ))
(まぁ、身長は追い越したからいいけどね。)
((未だに私より小さかったらまた漣君って呼んであげるよ笑))
(それは勘弁してください……笑)
((うそうそ、冗談です笑 ……じゃあそろそろ親戚の人の家に顔出しに行くから終わるね。))
(分かった。とりあえずおめでとう！また連絡するよ。)
((ありがとう！また連絡します。))
その後、ウサギが手を振るスタンプを送ると直ぐに漣からクマが手を振るスタンプが送られてきた。
似合わないスタンプに思わずスクッと笑ってしまった。
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癒 - 続きが気になります！更新楽しみに待ってます。 (2018年4月26日 7時) (
レス) id: 81efe12913 (このIDを非表示/違反報告)
かたあげ(プロフ) - さよこさん≫わざと蓮にしたのもあるのですが、分岐点で"漣"に変更するのを忘れていました汗 ご指摘ありがとうございます！順次直していきます。 (2018年4月10日 0時) (レス) id: 31645f9595 (このIDを非表示/違反報告)
さよこ - 蓮って、漢字間違えてませんか？それともわざとでしょうか？ (2018年4月9日 22時) (レス) id: 33beb3236a (このIDを非表示/違反報告)
かたあげ(プロフ) - 美紀さん≫コメントありがとうございます！E-girlsほんと格好いいですよね(*´ω`*)ご期待に添えられる様に頑張ります！ (2018年3月31日 11時) (レス) id: 31645f9595 (このIDを非表示/違反報告)
美紀 - E-girls大好きなのでこのドラマお姉ちゃんとみてましたなのでこの小説最高です (2018年3月29日 12時) (レス) id: 39e38305d9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かたあげ | 作成日時：2018年3月20日 22時
