あなたとわたしは。

第10話 かれとわたしのかわったとこ ページ12

あの日からあっという間に時は過ぎていくーーー。


今年、漣は私と同じ中学にあがった。

そんな私達の変わった事と言えば、蓮の一人称が僕から俺になった事とお互いを君付け、ちゃん付けを辞めた事だ。

そして漣は整形した事によりクラスメイトから虐められる事もなくなり、彼には友達とも呼べるような人もできた。

何より、1番大きな変化だと言えたのが彼に告白する女の子が絶えないって事かな。

私は単純に漣がいじめを受けずに普通に友達と呼べる人ができた事がすごく嬉しかった。

でもその反面、私から離れていってしまうんじゃないか、もう俺には必要ないと思われているんじゃないかと気が気じゃなかった。





「ほら、帰るよ。」


そう言って漣が私の左手の指に自分の右手の指を絡めてから握る。

そう、変わった事といえばこれを忘れていた。


最近になって漣はよく私に触れてくる回数が増えた。

特に何かされたりするわけじゃないけど、人がいない所で急に抱きしめてきたりするものだからドキドキしてしまうし心臓に悪い。


まだ私はこのドキドキの理由を知らない。


でも本当は、分かりたくないだけなのかもしれない。


今、私の中では弟としての漣を好きなのか、それとも1人の"男性"として蓮を好きなのか決める事が出来なかった。


やはり私は彼を"異性"の人間として意識しているのだろうか……。


そんな事を考えていると


「A……。」



突然、漣に抱きしめられる。




心臓が高鳴る。胸がキュウッと締め付けられる。


………この感情は何？




ほら、また漣にドキドキしてる。

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