式神の段 ページ9
立花side
『そう言えばさっき保健委員が蛸壺に落ちて怪我したって言ってたぞ』
立花「喜八郎め……」
『それにタソガレドキの忍組頭まで来てた』
立花「なんの目的で」
私はAにそう聞いた。
『おそらく園田村の薬草を持っていったんだろう。式神に追わせた』
Aは日ノ本一の式術使い。
平安時代の陰陽師、安倍晴明をも超える能力の持ち主であり、この室町の世においで唯一式神を従えた人間だ。
気性の荒い者から神と崇められた者までなんでも自分の配下にした。
私達の様な普通の人間には到底見る事の出来ない者達。
そんな者達を従えるAは私にとってとても輝いて見えた。
“彼奴”に出来なかった事がAには出来る。
それだけでAはとても喜んでいた。
『こらお前達、此処に居る奴らは喰うなよ？喰うならその辺にある死体でも喰って来い』
うっすらと見える透明な靄の様な物がAの首に巻き付いていた。
『あんまり脅かすなよ？子供に泣かれるのは慣れてないんだ』
Aがそう言うと透明な靄はゆっくりと私の方に近付いて来た。
立花「こ、こんばんは」
クスクスッ
誰かの笑う声が聞こえた。
『鬼姫、笑ってないで出てきてやれよ。結界が張られてる所だったらお前も出てこれるだろ？』
“はぁい”
声の聞こえた方を見ると額に二本の角がある女が私の首に手を回していた。
“この子も喰べちゃ駄目なのぉ？ご主人様〜”
『駄目だ。なら酒でも持ってこい。血ぐらいなら混ぜてやるよ』
“わぁい”
鬼姫と呼ばれた女は私の首に絡めていた手を解いて何処かに飛んで行った。
『こうゆう時は素直なんだよなぁ』
立花「……お前も大変だな」
『あんなの可愛い方だぞ？もっと凄い奴は命令なしに国一つふっ飛ばす』
その言葉を聞いて私は背中に冷や汗が伝ったのを感じた。
Aを怒らせたら私も殺されるのではないと。
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夜桜ほたる(プロフ) - すごく面白いです！！！更新楽しみにしてます〜！！ (8月15日 16時) (
レス) @page16 id: 1600cbbb8f (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - 初コメです！！ これ面白いです！！ 天女だって！？ さぁ、夢主君はどうやって天女を追い出すのか楽しみです！！ (2022年2月28日 20時) (レス) @page13 id: 4bcda9126d (このIDを非表示/違反報告)
マリー - え？主人公君カッコよすぎん？普通にイケメンで辛い。鬼姫ちゃんも可愛い。好きぃ。更新頑張ってください！ (2021年9月21日 18時) (レス) id: 2ee05f48f6 (このIDを非表示/違反報告)
みたらしお餅 - 更新されてるぅぅぅ！！今日一日これ楽しみに生きてました！！主人公君､日ノ本一の式術使いなのすげえぇ！更新､頑張ってください！！ (2021年9月21日 16時) (レス) @page9 id: 66ebc3e84f (このIDを非表示/違反報告)
みたらしお餅 - こんにちは！！この小説に一目惚れしました！！好きです！はい！これからも更新､頑張ってください！応援してます！！ (2021年9月20日 21時) (レス) id: 66ebc3e84f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エリス | 作成日時：2021年1月20日 14時
