可愛い系の最恐六年生 弐

何時か見た夢の段 ページ6

Aside

“役立たず！”

“どうしたあの子の為に死ねないよ！”

“お前なんて産むんじゃ無かった”






『……………夢』

最近よく見る夢。

ーーが“いなくなった”時によく言われていた言葉。

苦しくて、悲しくて、虚しくて。

口を開けば何時でもーーの事ばかり。

在り来りな奴らにうんざりしていた。

けれどあの一族は違った。

彼奴らとは違い人を、俺を大事にしてくれる。

ふと横を見ると留三郎がいた。

『何してんだ？留三郎』

食満「小平太がお前の事心配してたからな」

俺はお前の面倒みだ、そう言うと留三郎は俺に夜食のおにぎりを差し出した。

『お前のじゃないの？』

食満「俺はもう食った」

目の前に置かれたおにぎりはとても綺麗とは言えないできの物が多かった。

『お前が作ったのか？』

食満「まさか。一年生達がお前の為に沢山作ったんだよ」

愛されてるなぁ、そう言うと留三郎は俺の口におにぎりを押し付けた。

『…………困ったなぁ。俺が少食なの知ってるだろ？』

俺も留三郎の口におにぎりを突っ込んだ。

『食ってから寝てくれ』

留三郎は溜息を着いた後一緒に食べてくれた。









留三郎が寝たのを確認して外に出る。

少し風邪が強いらしく縛ってある髪の毛の束がフワフワと浮いている。

髪の束を解くと髪はフワフワと舞い上がる。

そんな事を気にせず夜空を見る。

今日の夜空は何時もより美しく見えた。

月や星が輝き、夏だが涼しい夜風が肌に触れる。

『手を伸ばせば星に届くかな？』






“兄さん！見て見て！綺麗な星空！”

“それ以上前に行くな、落ちるぞ”

“兄さんみたいで綺麗だね”

“…………僕は綺麗なんかじゃない”







『……………あれはね、白鳥の形をしてるんだよ。綺麗だね』

ーーの言葉を思い出し涙がこぼれる。

涙がこぼれる様な話じゃないのに。

何が悲しいんだろう。

何が苦しいんだろう。

『俺は何が嫌なの？』

その瞬間俺は誰かに抱き着かれた。

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