其ノ参拾伍 決意 ページ35
月「剣術修行はどうだ？」
愛華「ううん……まあ慣れれば何とか？」
月「そうか。リン、愛華に昼飯出してやれ」
リン「はーい」
リンちゃんは走って厨房へ向かう
私は月の前の席に座る
愛華「ありがとう……少し疲れちゃった」
月「まあそうだろうな。この後巫女修行もあるが……祭りは行けるか？」
愛華「あ！そっか！今日お祭りだ！大丈夫！」
月「そうか。頑張れよ」
愛華「うん！あ、そうだ月。聞きたいことがあったんだけど、依頼？とかって、やっぱり危険なものなの？正直私は使にはなったものの、妖怪の事はさっぱりで……妖力は霊力って言うのも、なんだか分かってないし……こんなので巫女ってなれるのかな？」
月「ふむ。新しい物事を始める時は皆初心者。分からなくて当然なものだ。最初は何事も苦に思え、乗り越える事が困難かもしれない。そう思うのは普通だ。だがお前が巫女になりたいと思ったのなら、巫女になると決意しろ。人は色々な事を学び、成長していくもの。失敗を恐るな。自分の思う道を行け。途中で諦めるのは敗者がやる事だ」
まるで説教のように語った月に私は圧倒されつつも確信を覚えた。
私が月の使になったのも、巫女になると頑張ろうとしたのも、全部月に憧れ、月について行きたいと思ったから。
月のように真っ直ぐに生きたいと思ったから。
それを考えれば、ネガティヴな思考も吹っ飛ぶ
愛華「……分かった。やるよ、私。必ず立派な巫女になってみせる」
月「いい志だ。強くなれ」
愛華「うん」
リン「はいはーい。出来ましたよ〜」
テーブルが穴が開き、そこにリンちゃんが現れ、食事を運ぶ
愛華「これ何？」
月「この館にはあらゆる場所に水の管が通っている。主に食堂はリンのため。厨房からこのテーブルに直通して、飯を運びやすいようにしている」
愛華「へえ、面白い……え？リンちゃんなんの妖怪なの？」
リン「人魚だよー」
愛華「え！？そうなんだ。私でもしってる妖怪だ」
月「人との関わりが深いからな」
愛華「人魚って珍しい妖怪なんじゃないの？」
月「まあそうだな。人魚の肉や血をを食べると不老不死になると人間が知ってからは、多くの人魚が人間に殺された。もう日本にも数える程しか生息していない」
リン「人間はリン達人魚を殺すだけ殺しておいて、リン達のことを忘れたんだ」
愛華「……」
リン「だから妖怪は人間嫌いが多いの」
愛華「リンちゃんは？」
リン「愛華ちゃんは好きだよ。でも他は嫌い」
愛華「そう……」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ムーンナイト-moonnight- | 作成日時：2018年1月21日 0時
