血と人間と妖怪の腐れ縁【オリジナル】 (ページ32)

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其ノ参拾弐お風呂での出来事ページ32

愛華「落ち着かないなぁ……」
しばらく畳の匂いを楽しんだ後に実感する広い部屋に一人でいる虚しさ
今私が使わさせてもらってる部屋は凄く狭く、この部屋とは比にならない
だからこそ落ち着かない
するとノックがして、「入るよー」と言う声と共に入ってくるクウちゃんとキルさん
クウ「やっぱり時間持て余してたw」
キル「まあ慣れない部屋だからな。仕方ない」
ナイスタイミング
というのもこれ以上この部屋に一人でいるのは辛かったから
クウ「お風呂入ろー」
愛華「え？あ、は、はい」
思いもよらぬ誘いに動揺が隠せない私
クウ「そんな動揺しなくても」
愛華「ご、ごめんなさい人と入るのは銭湯か温泉ぐらいなので……」
キル「温泉だぞ？」
愛華「え！？」
キル「天然温泉だ。湧いてっからな」
愛華「竜神山って温泉湧くの！？」
キル「かなり深いが湧いたな」
愛華「へえ……」
クウ「行こー」
そう言ってクウちゃんは私を手を引く

地下3F 女風呂
愛華「ひ……広おおっ！？」
キル「風呂の間。男と女じゃ階数がちげーんだ」
愛華「そうなんですね……」
一通り体を洗い、湯船に3人で入る
愛華「凄いですね、銭湯みたいにいっぱい湯船がある」
キル「今入ってるのが天然温泉。他は人工だ」
愛華「へえ～……」
それにしてもキルさんとクウちゃん……スタイルいいなぁ……キルさんは着痩せするタイプだな……大きいとは思ってたけど服脱ぐと更に……
う……目のやり場に困る……
クウ「愛華ちゃんは面白いねー。確かにキルは着痩せするタイプだよね～」
キル「な……愛華……お前そんな事考えてたのか」
愛華「す、すみません！」
キル「まあ……気にするな」
クウ「キルとキラだったらキルの方がスタイルいいんだよ～」
愛華「そ……そうなんですね」
キル「微妙な差だ」
……？
なんか視線が……
愛華「うっ……」
後頭部に衝撃が走る
そのまま私は気を失った

愛華「う……」
クウ「愛華ちゃんだいじょーぶ？」
愛華「あれ……私……」
キル「すまねぇな。ウチの風呂好きが人間嫌いでよ」
愛華「風呂好き……？」
クウ「メロウって言うアイルランドの妖怪でね、人魚みたいな容姿してるんだ」
キル「ウチの風呂掃除担当なんだが……どうにも人間嫌いでな」
愛華「まあ……仕方ないですよ。妖怪の中に私一人ですもん。妖怪って人間嫌いじゃないですか」
キル「……まあな。とりあえずウチのメロウは不機嫌でな、急いで出るぞ」
愛華「は、はい」
それから急いで洗うものを洗ってお風呂を出る