其ノ参拾壱 少しの案内 ページ31
クウ「こっちは二階北の道、まあいわゆる廊下だね」
カル「俺達の自室がある道だね。愛華ちゃんの部屋もこっち」
愛華「あ、1度入った事あったんで分かります」
カル「物覚えいーね」
愛華「よく言われます」
クウ「で、気になってたと思うけどこのバカみたいにデカい扉はツッキーの部屋だね。通称竜の間」
愛華「え、こんな大きい扉いる？」
クウ「ツッキーは竜……まあどちらかと言うとドラゴンか。ドラゴンだから、本当の姿に戻ったらこの扉より大きいんだよ」
愛華「でか……！」
この扉は多分8ｍ近くある。見上げても1番上は暗闇で見えない。これより大きいなんて……
クウ「ここを開くのは滅多に無いけどね。ほら、奥にもうひとつ小さい扉あるっしょ？基本あれ使ってるからw」
つまりこの扉はお飾って事ね
カル「そんで〜ここを過ぎて左側は二階南の道。そして正面は書の間だね」
愛華「書の間……図書室的な？」
カル「そーそ。下から上まで全部本。俺は書の間苦手〜」
クウ「カルは馬鹿だもんね〜」
カル「うるさい〜」
そういうクウちゃんも……
クウ「僕？僕はね〜カルよりは馬鹿じゃないよ」
愛華「え？」
今声に出てた……？
クウ「あ、ごめんごめん言ってなかったね。僕の父の血、蜚っていう妖怪はね、人の心を読む力があるんだ」
愛華「え！？」
クウ「普段は聞かないようにしてるんだけどね〜。家に帰ってくると取っちゃうんだよね」
愛華「へえ……」
こういう事を聞くと、やっぱり妖怪なんだなと実感する
愛華「でも、妖怪らしい妖怪っぽくないよね。カルさんも」
クウ「え？化け解いてもいいの？」
クウちゃんの姿は私の瞬きの間に前頭部には橙色の角がはえて、額には目がもう1つ出て、尻尾が4……いや3と蛇が1匹
愛華「は！？」
驚き過ぎて後ずさりしてしまった
クウ「え〜？愛華ちゃんが妖怪っぽくないって言ったから化け解いたのに〜」
愛華「えっ、あぁ……」
カル「クウで驚いてたら俺は気絶だな」
愛華「カルさんが言うんだったら気絶しますよ」
カル「したら最高」
クウ「じゃあ僕はこのままにするね〜？カルの化け解禁はまた今度だね」
カル「えぇ〜」
クウ「じゃあ今日は北の道南の道、書の間とツッキーの部屋の扉を紹介したから戻ろ」
愛華「あ、うん」
これは時間がかかりそうだなぁ……
食の間に戻り、私は荷物を置くついでに自室でゆっくりさせてもらう事にした
愛華「はぁ〜。畳最高〜」
靴を脱ぎ大の字になって寝転がる
さて……これからどうして行こうか
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作者名：ムーンナイト-moonnight- | 作成日時：2018年1月21日 0時
