血と人間と妖怪の腐れ縁【オリジナル】 (ページ17)

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其ノ拾漆家族ページ17

門を潜り抜ければ、門の手前からでも大きかったのに、更に大きく感じる、お城
日本のお城と海外のお城が混ざったような形。あんまり見慣れなくて少し違和感感じるけど、これはこれでアニメとかおとぎ話の中で出てきそうで好き。
月の後に付いていくが、興味をそそられよそ見をしてしまう
月「愛華」
愛華「あっ、ごめんなさい」
と、言われ急いで月の隣に行く
月「ここが玄関だ」
前を見ると門よりは小さいが、それでも大きな扉があった
愛華「これが？」
月「あぁ」
月は優しく扉を触ると、扉はｷﾞｨｰという音を立て、時間をかけ開いていく
私はおとぎ話のお姫様になった気分だった
中に入り、廊下？らしき場所を歩くともうひとつ和風な引き戸があり
愛華「急に和だね」
月「ここは日本と異国の文化が混ざった城だからな」
愛華「今じゃ日本でも引き戸は少ないよ」
月「そうか。やはり時代は変わるな。日本も異国に洗脳されてしまったか」
愛華「そんな深刻？」
月「いや。時が流れるのは分かりきった事。それより来い」
と、月に手を引かれ、前の食堂に入る
愛華「あ、ここ……」
月「食の間の案内は後だ」
そのまま手を引かれ、水浸しの厨房に入り、少し狭い道を歩いていく
と、急に月が止まる
月は真横にある大きな冷蔵庫を開ける
冷蔵庫の中には下へと続く階段があった
愛華「階段！？」
わけも分からないまま、月は私を下へと誘導する
階段を降りてくと、暗く広い部屋に辿り着く
愛華「ここは？」
月「刻(きざみ)の間。ここで正式に家族になる」
愛華「え、正式にって？」
月「妖怪には、俺のように家族にする種族が多くてな。俺では家族、と言うが、他の種は「奴隷」や「兄弟」と様々な呼び方をする。
俺で言う"家族"になるには、ある儀式が必要だ」
愛華「儀式？」
月「「血の儀式」と言う儀式。護る者が主(あるじ)、護られる者は使(つかい)と呼ぶ。主と使に、つまり家族になるには血の儀式、主の血を使が飲むんだ」
愛華「血を！？」
月「量が多ければ多いほど、主と使の混じる血は濃くなる」
聞けば聞くほどグロくなる
月「分かりやすく言えば、盃(さかづき)に似たものだろう」
愛華「それ、子供産む時どうなるの？」
単純に頭に入ってきた疑問をぶつける
月「心配ない。子供には俺の血は混ざらない。あくまで愛華個人の血に俺の血が混ざるだけだ」
愛華「……そっか。じゃあ、月の血を私が飲めばいいんだよね」
不思議と私は抵抗がなかった。今まで妖怪相手に色々苦労してきたからだろうか