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＊６１＊ ページ15
その日から国は
どんどんおかしくなっていった。
兄たちも血走った目で父に言われた通りに
動いている。
…僕は今まで以上に存在を消した。
もともといないような人間だったのだから、
それは簡単だった。
それでも毎日、ドラゴンと話していた。
それだけが唯一の楽しみだったから…。
・
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『王様とさ、契約する時願いを言えって言った。
そしたら国を、民を豊かにしたいって言ったんだ。
それなのになんだよ、これ。』
《王様はもう、戻らないのかな。》
『…もう無理だろうな。俺の話にも耳を貸さない。
どうする、第4王子。このままだとお前も駒だ。
この国のために死ぬことになるぞ。』
わかっていたけど、仮にも自分の父親だ。
どうすることも出来なかった。
僕には力がない。人脈もない。
慕ってくれる人がいない人間が、
1人で国を変えようとしても、何も出来ないんだ。
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作者名：翡翠
| 作成日時：2020年9月25日 0時
