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＊５９＊ ページ13
ドラゴンと知り合って
ちょうど1年がたった頃だった。
不穏な噂を聞くようになった。
北にある国がおかしくなった、と。
【黒いドラゴンに洗脳されたらしい。】
【黒いドラゴンは人間をおかしくするらしい。】
みんな揃ってそんなことを言う。
黒いドラゴン…か。
この世界にはいろいろなドラゴンがいると
勉強したけど…。
黒いドラゴンについては、
全く教えてもらわなかった。
その頃父や兄は、戦争だ戦争だと忙しく、
相変わらず僕はひとりぼっち。
1週間会わないことも当たり前になっていた。
・
・
・
・
《…ねぇ、黒いドラゴンってどんなものなの？》
いつもの時間。
塔にのぼって、ドラゴンと話していた。
『…黒いドラゴンか。あれはな、やばいぞ。
闇を司ってるからな。人間をおかしくする。』
人間の闇を喰って強くなるんだ、と
初めて教わった。
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作者名：翡翠
| 作成日時：2020年9月25日 0時
