No.58 ページ12
「……つくってんだろ。」
息が止まりそうになった。
まさか言われるとは思わなかったから。
「そんなことないよ。ただ単に、機嫌が良いの！」
するり、と効果音が付くくらい、自然にそう言えた。
……口から嘘がすらすら出る。
私の演技力の最大のポイントだろう。
そう、さっきの言葉も嘘。
本当は、“俺”に“私”が飲み込まれるのが怖いから、わざと明るくふるまってるだけ。
エースが言ったことも、図星だった。
……昔から、怒ると“俺”が出てくる。
“俺”は、冷えきっていて、とても冷たい。
そんなのとは正反対の、“私”で在りたいから。
“私”は、明るくて、笑顔。
Aの中には、“私”と“俺”がいる。
二重人格みたいだけど、辛うじてコントロールできるから違うと信じたい。
……まあ、自分を客観的に見といて何言ってんだ、って話だけど。
いつもの自分は“私”だから。
冷えきった“俺”になるのは嫌だから。
……だから。
持っている演技力をフル活用して、他人を騙す様に自分を騙す。
そんなのは嫌だけど、もう甘えられる人はいないから。
そうやって“私”で在り続ける。
「……そっか。」
そう、ただ単に機嫌が良いだけなんだ。
エースを騙して、自分も騙す。
「助けて」という本音と、
「助けてくれる」という淡い期待を、
心の奥に仕舞い込んで。
また“私”は嘘をつく。
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はにぃとーすと(プロフ) - やぁ、やぁ！アクマノミちゃん。あなたの娘だよ(これでピンとこなかったら泣きます。)白組応援団長の娘さんですw読んだよー！面白かった。(ｷﾘﾘ)お気に入り登録したよw更新がんばれ (2017年5月14日 13時) (
レス) id: bc7c2b3df7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アクマノミ | 作者ホームページ：
作成日時：2017年4月5日 9時
