2、トガヒミコ ページ3
私はずっと唖然としていた。
頭の中で混乱という文字がグルグル回っていた。
初めてキスされたこと、その初めてキスしてきた人が死柄木弔ということ。
死柄木弔という人物の名前を聞くのは初めてでは無い。
ニュースなどにも取り上げられていた事もあったから、名前自体は聞いたことがあった。
『…なんで、こんな事に……』
一度に沢山の疑問か浮かんできて、頭が狂ってしまいそうだ。
頭を抱えていると、後ろから足音が聞こえた。
また死柄木だろうか。
震える足で立ち上がり、少し身構えながら振り返ると其処に居たのは死柄木ではなく、1人の少女だった。
「あなたがAちゃんですか？｣
頭の両サイドに結ばれたお団子が特徴的なセーラー服を着た少女。
『そ、そうです…けど…』
すると、その少女は嬉しそうな顔をしながらこちらに近づいてきた。
「写真じゃない、生のAちゃんだァ！！
会えて嬉しいです！ これからずっと一緒に居られるなんて夢みたい！ 私トガヒミコっていいます！！あぁ、こうやってAちゃんを近くで見られるなんて嬉しいなァ！！！｣
『……い、いやぁ…っ！！』
突然、狂気的な顔に変わり、鼻と鼻がくっつく程の距離にまで近づいてきたトガヒミコという少女。
その様子に驚き、尻もちを着いてしまった。
「怯えてるAちゃんもかぁいいですよぉ！｣
そう言いながらトガヒミコは私の前にしゃがみこみ、頬に手を伸ばしてきた。
逃げたい。
だが、足に力が入らない。
足が、動かせない。
その瞬間、トガヒミコの手が私の両頬を包み込んだ。
「Aちゃんは顔もかぁいいですねェ！！
笑った顔も、怯えた顔も、悲しそうな顔も私はぜーんぶ好きですよ！！
でも…血を被ったAちゃんはもっと、かぁいいと思うんです！！｣
『こっ、来ないで！』
一か八かで、トガヒミコの体を押して、逃げようとした。
案外簡単にトガヒミコがよろけた為、その隙に精一杯の力を足に入れ走り出した。
どうすれば外に出て、逃げ出すことができるかはわからない。
でも、この部屋から出ることが出来れば、少しは状況が変わるかもしれない。
そう判断し、この部屋の出口であろう扉のドアノブに手をかけた。
その瞬間、部屋に入ろうとしてきた誰かとぶつかってしまった。
「いってぇな」
・
あぁ、なんで私はこんなに運がないのだろう。
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月巳 椿 - 続きめっちゃ楽しみにしてます！体調にも気をつけて、無理なく更新頑張ってください！ (2020年5月15日 23時) (
レス) id: 46b25a4fbf (このIDを非表示/違反報告)
赤薔薇(プロフ) - ヴィラン連合の小説は中々ないので嬉しいです！特に荼毘大好きです！でも死柄木も大好きです！笑 更新、楽しみにしてますね(^○^) (2020年3月31日 12時) (レス) id: a64d377072 (このIDを非表示/違反報告)
シラユキ(プロフ) - Evaさん» 返信遅くなっしまって申し訳ありませんっ！！ありがとうございます！！こんな作品ですが、見守って頂けると幸いです！！ (2020年3月24日 10時) (レス) id: 4aa4850497 (このIDを非表示/違反報告)
Eva - 続き楽しみに待ってます！ (2020年1月29日 11時) (レス) id: a1f2b3bb01 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：のぶめ | 作成日時：2019年12月23日 21時
