ひゃくにじゅうご。 ページ29
あの後、くれぐれも今日話した内容は他言無用だと口止めされてから王への謁見が終わり、それはそれは丁重にもてなされた。幸い毒を盛られる事もなく、穏便に事は進んだ
今日はもう遅いから、と城に泊まる事も勧められたが、御者を待たせているからと断った
ハァ…たったの半日しか城に居なかったのに、数日間ほどあそこに居たんじゃないかってくらい疲れたな…
俺は城門の側に居た御者に声をかけ、今まで寝ていたのですぐ出発できると言っていたので、そのまま我々国への帰路へついたのだった
.
また1日かけて我々城へ着いてからすぐ、総統室へ報告に行った
「うむ…何も無かったのか…。つまらん」
『グルッペン…』
「あ、いやすまない。Aが無事に帰って来ただけでも僥倖だな」
そう言って焦るグルッペンの顔には、ベーダと戦りあってみたかった…と書いてある
「それにしても、ベーダ王国の国王がファントムに何の用だったんだ？」
『それは…』
ヤバい考えてなかったな…
『すまん。口止めされているんだ。いくらグルッペンでも教えられない』
グルッペンは少し驚いてから言った
「え？自分が所属してる組織のボスに教えられんのか？」
『…そうだ。もし口にすればベーダと戦争になる可能性がある』
勿論これはハッタリだが、他に伝えようがないので俺がそう言うと、グルッペンは「それはそれで…」と呟いた
『グルッペン？？？』
「いやすまない、悪い癖が出た。今のは忘れてくれ」
めちゃくちゃ悪い笑みが出ていたグルッペンを咎めてから、「とにかく我々国にとって悪い内容ではなかったから！」と言い更なる言及を避けるため総統室から出た
馬車で寝てはいたが久々の遠出で少し疲れたので、今日はもう寝る事にした
.
それから特筆する事もなく、次の予定の日が来た
……実を言うとここが、前回失敗したところだ。もう何十回もここで失敗している
色々な方法を試した。だけどどんなに足掻いても、俺の努力が崩れる時は一瞬だ
必死で守り抜いてきた砂上の楼閣が、いとも簡単に吹き飛ばされる。俺はそんな瞬間を何度も繰り返してきた
だが…今回は少し期待している。何故なら、ここで毎回幹部を殺そうとしているのは、ベーダの軍服を着た奴らだからだ
国王と話した時は聞くのを忘れていたが、昨日ベーダをハッキングしてみたら、我々国を狙うような動きはなかった
だから今回は何も起こらないはず…
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 493人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
U - rpが来て主さんがwrwrdに再熱...というかこの界隈を思い出してくれたらなぁっと思い帰ってきました。もうこの作品も2年経ちますね、気が向いたら続編を書いてくれたら幸いです (4月8日 16時) (
レス) id: 2a32fc0009 (このIDを非表示/違反報告)
海老天2(プロフ) - 久しぶりですね、wrwrdに再燃したのでまた何周も見させていただいてます。もう何周見たのでしょうか…数え切れません。完結してしまったんだなと思うと少し辛いですが、この作品が残っているだけで私は嬉しいです。どうか作品を書いている主様が元気でありますように (12月20日 0時) (レス) id: 33cb616463 (このIDを非表示/違反報告)
ゆん - まじ好きです。ぜひ更新していただきたい。 (12月9日 10時) (レス) @page50 id: c8a05a8ee5 (このIDを非表示/違反報告)
アジフライ - もう20周目は行ったのではないでしょうか…もう界隈から離れてしまったのかもしれませんが、作品を消さないでくれてありがとうございます。いつかまた、気が向いた時にでも更新していただきたいです…私がこの界隈を離れても、この作品は読み続けると思いますので… (10月31日 12時) (レス) @page50 id: 0a174f529f (このIDを非表示/違反報告)
U - 停止してからも読まれ続けているのも珍しいですよね。各有私もそのひとりなのですが....作者様の心身ともに健康を祈ってます。今7週目ﾃﾞｽ((ﾎﾞｿｯ… (10月30日 22時) (レス) id: 3d178da5c2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：山田。 | 作成日時：2022年7月26日 3時
