さんじゅうはち。 ページ40
それに卑怯…？褒め言葉だ。このループに入る前は俺は嘘をつくことが苦手だった。今では嘘で塗り固められているが、昔の俺は嘘が下手だった
だから俺の言う事に我々の奴等はいちいち真剣にとりあった。俺は嘘をつかないからだ
その結果、俺はあっさりと軍を抜けられた。…アイツらに何回も酷い事を言ったりやったりするのは心苦しく、わざわざ一つ前のループでそれをやった
だがどっちみち最初が詰んでいて、前のループで準備する前提の難易度なのはマジでクソだと思う
俺はそんな事を考えながらどんどん盗賊を屠っていく
表に姿を現さず殺していっているので、盗賊達には仲間が勝手に死んでいっているように見えるだろう
ある程度数が減ってきたので今回はもう終わったかと思い、森の中を走って港へ戻ろうとしたら
肩をガシッと掴まれた。ちょうど怪我をしていた所を鷲掴みにされたので少し痛い
反射で肩を掴んでいた手を捻り上げ木に押さえつける
「ｳｯ…ちょ、待って！僕ですよ、チーノです！」
は…？！何故こんなところに…！？
慌てて手を離す
『お前…なんでここに居る。危ないぞ』
「いやぁトイレに行ってたんで、今どんな状況か分からへんくて！説明とかって…？」
相変わらず自分より強い相手には媚びてるな。俺は簡単に説明した
「…なるほど。じゃあ俺はもう少し待ってからオスマンに合流した方がええって事やんな？」
『そうだ。俺はこれ…で…？』
待てよ。チーノがここに居るって事は、予想外の事が起きる確率が跳ね上がるという事だ
急に固まった俺のフードの前で手をヒラヒラしているこのぐるぐる眼鏡の男を見ながら考える
既に問題を解決したところに、前までのループでいなかった幹部が居ると、高確率で予定にない事が起こる。そうなると今までの苦労が水の泡だ。最初からやり直しになる
『待て。やはり俺も護衛として同行していいか』
「えっ！？そりゃファントムさんがええならそんな心強い事はあらへんけど…それはまた何故？」
『……嫌な予感がする』
「…奇遇ですね、実は俺もなんすよ」
！？まさか、覚えて…いないか。ゾムも前に言っていたが、ただのデジャヴのようなものだろう
いつだかにここでオスマンは盗賊にやられているので、それを偶々フラッシュバックで見た可能性が高い
恐らくそのデジャヴのせいで今回ついて来たいとオスマンにゴネて、ここに居るのだろう
とりあえず俺たちは馬車の方へと向かった
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fact - 前作を久しぶりに拝見させてもらっていたら新作が出ていたので驚き、すぐさま読みました。前作と同じで次がとても気になって仕方なくなります…これからも応援してます。無理しない事を優先に更新まってます！素敵な作品をありがとうございます✨ (2022年6月7日 16時) (
レス) id: 5d3c36cea5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：山田。 | 作成日時：2022年5月29日 14時
