さんじゅうさん。 ページ35
バンッ！
話の途中で後ろから飛んできた銃弾を弾いたゾムは、不機嫌そうに言った
「…コイツら話の邪魔やな。先にやるか」
方向転換して今までの鬱憤を晴らすように斬りかかっている。俺も斬りかかった
2対2なら俺たちが遅れをとる事はないだろう
.
あれから幹部2人を始末し、俺たちはあと少しで国の外に出れるところまで来ていた
「さてと…ここまで来ればもう大丈夫やろ。それでさっきの続きやけど、なんか知ってる事があったら教えてほしいわ」
…ここで話すのは初めてだ。この話自体はゾムにした事があるが、その時は全く信じなかった
このタイミングで話すことによって何が起きるか分からないが、この状況で逃げればまた気絶させられるかもしれない
『それを話すと長くなるぞ』
「？ええけど…」
『…信じられないと思うが____。』
それから俺は、ループのことを多少省略してゾムに話した
「はぇ〜…よく出来た話やなぁ。と言いたいとこやけど…
そんな力を持ってんならアンタのその強さにも、未来予知じみた行動にも、俺のこのデジャヴも説明がつくんよなぁ」
『……』
ま、信じられないよな。俺も逆の立場だったらそうだし
「なぁ、ファントム。信じる信じないは置いといて俺らの仲間にならへん？」
『！』
そう言ってゾムは手を差し伸べる
…その答えは予想してなかった。だが、軍に戻るにしてもまだその時じゃない
『俺は…仲間にはなれない。まだやるべきことが沢山あるんだ』
「…じゃあ、そのやるべきことが終わったら、仲間になってくれるん？」
『まぁ…そういう事になるな』
俺たちが話し込んでいると、ふと遠くの方に何かが光っている
考えるより先に体が動き、ゾムを抱きしめた。左肩に衝撃が走り、辺りに鮮血が飛び散った
『くっ…(スナイパーがもう1人居たか！)気づかれたみたいだな、お前は早く逃げろ！』
ゾムを離し、剣を抜いてスナイパーの方に構える
「なっ…んで………お前はどうするん？」
『俺は…時間を稼いで、適当に逃げるさ。安心しろ、お前みたいにヘマはしない』
「…肩、早めに止血せんと死ぬで。あと、今日のことは一応礼を言っとく。
じゃ、またな」
またな、か。俺には絶対言ってくれないだろうな
俺はスナイパーの射線から外れるよう立ち回り、ゾムが逃げて行った方向に敵が行かないよう誘導していると、途中から貧血で目眩がしたので死なないよう早めに撤退する事にした
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fact - 前作を久しぶりに拝見させてもらっていたら新作が出ていたので驚き、すぐさま読みました。前作と同じで次がとても気になって仕方なくなります…これからも応援してます。無理しない事を優先に更新まってます！素敵な作品をありがとうございます✨ (2022年6月7日 16時) (
レス) id: 5d3c36cea5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：山田。 | 作成日時：2022年5月29日 14時
