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じゅう。 ページ12

『貴方は一体何を言っているのです?』


この状況でも笑みを崩さない副船長に寒気を覚えながら、焦りを鎮める

まずいぞ。早く行かないと本気で泳ぐハメになる。完全に船が沈んでからでは救命艇も出せない


「いや…貴方には、ここで死んで貰おうと思いまして」


そう言って銃を取り出すや否や、何か話す暇もなく発砲してくる。

向こうは何か核心があり俺が船長ではないと気づいたようだ。

俺が避けると、殺気立って銃を乱射する

慌てて巻き添えを食らわせないよう近くにいる一般人を伏せさせる

…優先順位があるってだけで、俺もそこまで冷酷な人間じゃない。

「チッ…こうなりゃヤケだ。おい、ファントム!!出てこなきゃこの部屋ごと吹っ飛ばすぞ!!」

物陰から様子をうかがっていた俺は、副船長の上着の下に爆弾が大量に巻かれていたことに驚いた

これは…今までにないパターンだ。とりあえず下手に手出し出来ないので、銃を捨て両手を挙げてソイツの前に出る


『分かった。落ち着け。これでいいか』

「そ、そうだ。そのままこっちに来い」


何かないか。と必死に視線を動かしていると、副船長が震えていることに気がついた


『お前…震えてるじゃないか。誰かに指示されたのか?言えば俺が助けてやるぞ?』

「ッ…!お、俺は騙されないぞ!それに、どっちみち生き残っても殺されるんだ!!ならいっそここで…」

一瞬動揺したが、覚悟を決めたようにスイッチを押そうとしている。

一か八か一気に距離を縮め、あまりのスピードに反応できていないソイツに手刀をいれた

「…カッハ…!ク…ソ…」

ドサっと倒れる前に爆弾を解除してそのまま窓から海へ投げ捨てる

『…悪いな』

俺には救うべき人がいるんだ。お前に構っている暇はない

バンッ!!

『なっ…!!』

俺が部屋を出て行こうとした瞬間、さっき伏せさせた奴が俺の銃を拾って撃ってきた

咄嗟に身体を捻ったが運が悪いことに、それはこれから散々使うであろう足に当たった。

2発目がくる前に素早く近づいてそいつも気絶させる


グルだったのか…!

初めてのパターンはこういうことがあるから嫌いだ。

手早く止血を済ませてチーノの元へ向かう






船内は大パニックだった。デッキの救命艇の近くは人で溢れている

その中に水色の髪のビン底眼鏡を発見した

いた。あれだ。てか非常にまずい。もう水が救命艇の近くまで来ている

じゅういち。→←きゅう。



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fact - 前作を久しぶりに拝見させてもらっていたら新作が出ていたので驚き、すぐさま読みました。前作と同じで次がとても気になって仕方なくなります…これからも応援してます。無理しない事を優先に更新まってます!素敵な作品をありがとうございます✨ (2022年6月7日 16時) (レス) id: 5d3c36cea5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:山田。 | 作成日時:2022年5月29日 14時

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