第6章 ページ8
場面が変わり、私たちは倉庫の中にいるよ
太宰さんと敦君と私は木箱の上に座っていた
ちなみに……太宰さんはあの本を読んでる…
誰が書いたのか物凄く気になるんだけど
敦「……本当にここに現れるんですか?」
太「本当だよ、心配いらない」
ほぼ即答だったね、うん。
太「虎が現れても私の敵ではないよ、こう見えても『武装探偵社』の一隅だ」
敦「はは、凄いですね…自信のある人は…僕なんか孤児院でもずっと「駄目な奴」って言われてて______
その上今日の寝床も明日の食い扶持も知れない身で………こんな奴がどこで野垂れ死んだって…いや、いっそ喰われて死んだほうが___ 」
『私は敦君は駄目な奴ではないと思うし、敦君が死ぬのは絶対に嫌だと思うけどなぁ〜』
敦「萌愛ちゃん……」
敦は驚き目を見開きながら萌愛を見上げる
太「却説____そろそろかな」
太宰が上を見上げると
敦も太宰に釣られて上を見る
ガタンッ
敦達の背後で大きな物音がした
敦「今……そこで物音が!」
太「そうだね」
敦「きっと奴ですよ、太宰さん!萌愛ちゃん!」
『落ち着いて、敦君』
そろそろあの場面か……
虎がこっちに来ないと嬉しいんだけど←フラグか?
嫌な予感しかしないんだよねぇ
太「風で何か落ちたんだろう」
敦「ひ、人食い虎だ…僕を喰いに来たんだ」
太「座りたまえよ、敦君…虎はあんな処からは来ない」
敦「ど、どうして判るんです!」
太「そもそも変なんだよ、敦君」
太宰はパタンと呼んでいた本を閉じながら云う
太「萌愛ちゃんも、判ってるんでしょう?」
えっ?!私に振るの?
まじか…太宰さんの口から聞きたかったのになぁ
『ええ、まぁ…経営が傾いたからって、養護施設が児童を追放するとは思わない、大昔の農村じゃないんですから…それにそもそも、経営が傾いたのなら一人二人追放してもどうにもなりません……半分程減らして他所の施設に移すのが筋だと思います』
敦「萌愛ちゃん、何を云って______ 」
敦はそう云うとふと顔を上げ“月を見てしまう”
太「君が街に来たのが2週間前、虎が街に現れたのも2週間前」
『君が鶴見川辺にいたのが4日前、同じ場所で虎が目撃されたのも4日前』
太「国木田君が云っていただろう『武装探偵社』は異能力の力を持つ輩の寄り合いだと…巷間には知られていないが、この世には異能の者が少なからずいる……その力で成功する者もいれば______力を制御できず身を滅ぼす者もいる」
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眼鏡笹団子(プロフ) - ケロ太郎さん» 応援ありがとうございます!楽しんでもらえるように、楽しい話をどんどん作っていきますね!! (2019年11月20日 18時) (レス) id: 5fbe94ee27 (このIDを非表示/違反報告)
ケロ太郎 - LINEの方でいつも楽しく読ませてもらってます。これからも頑張ってください! (2019年11月20日 13時) (レス) id: 8b68688e54 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:眼鏡笹団子 | 作成日時:2019年11月19日 22時