第32章 ページ36
太宰「なんで?」
芥川「簡単な事、その人虎には闇市で七十億…小娘には百億もの懸賞金が懸かっている、裏社会を牛耳って余りある額だ」
は………?今なんつった?
『ひゃ………百億ッ?!』
フィッツさん?!何してらっしゃるんですか!?
百億の価値なんて私にはないでしょう!?
太宰「へえ!それは景気の良い話だね」
芥川「探偵社には孰れまた伺います、その時素直に七十億と百億を渡すなら善し、渡さぬなら______ 」
太宰「戦争かい?探偵社と?良いねぇ元気で」
太宰はポンと手を叩くとガラリと表情を変え
太宰「やってみ給えよ______やれるものなら」
口元に笑みを浮かべながら云った
樋口「………ッ、零細探偵社ごときが!我らはこの街の暗部そのもの!傘下の団体企業は数十を数え、この街の政治・経済の悉くに根を張る!たかだか十数人の探偵社ごとき______3日と待たずに事務所ごと灰と消える!我らに逆らって生き残ったものなどいないのだぞ!」
樋口は太宰の態度に怒りを覚えたのか太宰を睨みつけながら言い放った
太宰「知ってるよ、そのくらい」
しかし太宰は態度を変えず軽く頭を掻いた
芥川「然り、外の誰よりも貴方はそれを悉知している_____元マフィアの太宰さん」
太宰「ほら、さっさと帰り給え」
太宰はシッシッと虫でも払うかのようにしながら云うと芥川は太宰に向かって一礼し、樋口は太宰を睨みつけ去っていった
あたりに沈黙が広がる____
太宰「ねぇ萌愛ちゃん…」
『はい…?』
太宰「私が…元マフィアと聞いて失望したかい?」
太宰は悲しそうな顔をしながら萌愛に問いかけた
『失望…?失望なんてしていませんよ』
萌愛はスッと太宰の方に体を向け太宰を見上げ、太宰は萌愛の失望していないという答えに驚き、顔を上げた
『確かに人の命を奪うのはいけない事だし、許される事ではないと思います。けれど太宰さんは…マフィアを抜け、ちゃんと人を救っているんでしょう?』
太宰「……」
『人を救う事が償いになるのか、それは私には分かりませんが…私は今の太宰さんの方が幾分か……素敵だと思います』
萌愛は嘘偽りのない、綺麗な笑みを太宰へ向けた
太宰「……そうかい、有難う…萌愛ちゃん」
太宰はそれを聞き嬉しそうに微笑んだ
太宰「さて…谷崎君たちは萌愛ちゃんが運んでくれたようだし、敦君は私が負ぶって行くよ」
萌愛はヒョイと敦を負ぶった太宰に礼を言い、3人は路地裏から出て行った
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眼鏡笹団子(プロフ) - ケロ太郎さん» 応援ありがとうございます!楽しんでもらえるように、楽しい話をどんどん作っていきますね!! (2019年11月20日 18時) (レス) id: 5fbe94ee27 (このIDを非表示/違反報告)
ケロ太郎 - LINEの方でいつも楽しく読ませてもらってます。これからも頑張ってください! (2019年11月20日 13時) (レス) id: 8b68688e54 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:眼鏡笹団子 | 作成日時:2019年11月19日 22時