84、最高のキスを君に。 ページ16
――――――――――――――――――――――――白い砂浜、青い海。
あれから１ヶ月。
私達テニス部は、学校の計らいにより、強化合宿(と言う名のバカンス)に来ていた。
『うわあ〜!!沖縄のカモメだ!!シークワーサーーー!!!!』
テンションは最大。
一人でバカみたいに海に向かって叫び、売店で買ったパイナップルスティックを頬張る。
うん、南国的ぃ☆ｗ
あの日私を残し、雨に消えた背中を
私は最近見なくなった。
その代わり、よく見るようになったのは
ブン太｢おいA、見てみ!!これ、食えるかな??｣
君の横顔。
ブンちゃんは目を輝かせながら、潮溜まりの中の青い小魚を指差した。
『クスッ ブンちゃん、それは熱帯魚だから駄目だよ』
そう言って、私もブンちゃんの隣にしゃがむ。
沖縄の日差しが背中に刺さる。
｢うーん…天ぷらにしたら美味そうなんだけどな〜｣
ブンちゃんはまだ諦めきれないらしい。
やれやれ…
次の瞬間、ポチャンと音を立てて大きめの熱帯魚が跳ねた。
｢うえっぶ;｣
モロ顔面に海水を被るブンちゃん。
『あはははは!!!!』
｢くっそ、迂闊だったぜぃ｣
そう言って、苦い表情をしながらシャツでごしごしと額を拭う。
『魚もブンちゃんに食べられたくないっ…て///』
｢ん、どうかしたか??｣
『ううん、何でもない///』
ブンちゃんが格好良すぎるだけだよ、なんて言えない。
｢ハハッ変なやつ!!
…それよりさ、お前いーもん持ってんじゃん♪｣
パイナップルの事かな??
『あ、食べる??おいしーよ＾＾』
そう言ってパイナップルを差し出す。
するとブンちゃんは低い声で
｢ちげーよ。俺が欲しいのは、こっち｣
と言って、私の頬に手を当てた。
『…え////』
日差しとは別の意味で、体温が上がるのを感じる。
｢貰って…いいか?｣
『…は…はい///;』
青い青い空の下、鴎の声が遠くで響いた。
どんどん縮まるその距離に、私はそっと目を閉じる。
―――ちゅっ
ブンちゃんとの初めてのキスは、乾いた海の香りがした。
『………///しょっぱい;』
｢ぶッ…お前、本気でムードねぇな!!もうちょい可愛い事言えよｗ｣
た、確かに;じゃあ…
『…ブンちゃん、大好き』
｢…うん、よろしい｣
再び唇を重ねた時、海風がワンピースを弄んだ。
キスは初めてじゃないけれど
ちょっと塩辛くて、とても甘いキス。
多分、これが本当の私のファーストキスだね。
ありがとう。
ラッキーアイテム
革ベルト
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yn - めちゃくちゃ面白かったです( ´•̥ ̫ •̥` )最後のキスシーンは感動して泣きました！ (2022年2月10日 2時) (
レス) @page19 id: c85f91ed97 (このIDを非表示/違反報告)
栞 - 全部見た、6回位読んだ。何回も泣いて目が痛い。もっといろんな小説書いて欲しい。頑張ってください。 (2016年5月7日 19時) (レス) id: 7d989b00f5 (このIDを非表示/違反報告)
なぁみ＠テニプリ(プロフ) - 全部拝見させていただきました。もう、小説でこんなに泣いたんは初めてです！素晴らしい作品ありがとうございます！ (2015年6月28日 21時) (レス) id: 1b56b07512 (このIDを非表示/違反報告)
はにぃ(プロフ) - こんばんは！初めて拝見させていただきました！もう、3辺りから気づいたら泣いてました。小説とかでないたの初めてです。こんな素晴らしい作品をつくっていただき、ありがとうございました！ (2014年4月11日 22時) (レス) id: 81c414bc0b (このIDを非表示/違反報告)
我の封印されし左腕が疼くｗｗ - コアラ！ (2014年4月7日 17時) (レス) id: ce78beb37d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：空豆 | 作成日時：2012年9月26日 17時
