外見至上主義短編集【男主】 (ページ6)

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純情&わかりやすいバスコなうページ6

Aサイド

こんにちは。俺は美容学科のA。ネイリスト目指してるんだ。家の稼業だからな。頑張らなきゃ。美容学科は俺を含めて男子は2人。もう1人は女子達とも仲良くやってるが、俺は少し苦手だ。だから孤立してる。と思う俺は。必要以上に人に好かれなくたって良いと思う俺は。けどそんな俺に好意を持ってくれる奴がいるとは思わなかった。

「ほーらバスコいけ！隣取られるぞ！」
「いやお前も来い！殺す気か俺を！」

建築学科のバスコが俺のことを好きと言うのは結構有名らしい。最近聞いた。転校生から。

「…あ、なあ、」
『ん』

話しかけてきた。一昨日はバスコが真っ赤になって逃げ出した。昨日は椅子ごとひっくり返ってた。

「隣、座って良いか？」
『どうぞ』

別に許可なしでも座って良いものじゃないのか？それでも俺と会話できるのが嬉しいのかめちゃくちゃ顔が明るい。眩しいな。バスコの隣に翔瑠が座る。カオスだ。

「翔瑠、どうすれば」
「知らん。世間話でもしろよ。」
「人が、大変な時に…！薄情者！」

すぐ横でひそひそと話されても普通に聞こえるから。人に好意を持たられるのは嬉しいんだけどなあ。

『なあ、』
「お、おう！なんだ！？」

急に話しかけられて驚いてるのか結構大きい声が出たバスコ。食堂がやがやしてるから特になんもなかったけど。

『それ、美味しいの？』

バスコがいつも飲んでる牛乳パック？のやつ。カフェオレかココアかいっつもわかんねえんだよな。

「ああ、美味しいぞ。」
『へえ』

手に取って飲んでみた。うん。甘い。ココアか？冷たい。つかここら辺に売ってんのか。初めて知ったぞ。

「…」
『ああ、急に悪かった。気になってつい。』

無言でこっち見てたからすぐに謝るとがだんと椅子をひっくり返しながら立ち上がった。

『…バスコ？』
「…っ、Aの、ワルめ！！」

とかなんとか言って逃げられた。

『…なんだあれ、ワルって、俺なんかしたかな。』
「いやしただろー。間接キスと言う名の罪を。」
『意外とピュアだな。あいつ。』
「ほんとな。けど良い奴だから勘違いしないでくれよ？」
『知ってるよ。』

可愛いところもあるんだなあ。