SMの天然タラシなイケメンプリンス 【男主】

テヨンとご対面。2 ページ5

テヨンサイド

別に嫌ってるわけじゃない。
なんとも言えない感じを言葉に表せないで勘違いして溝が余計に深くなってるだけだ。

「二人で雑誌に出てもらいたい。」
『それだけで呼んだんですか？それなら電話でだっていいじゃないですか。』
「それだけじゃない、マネージャーやユウタから聞く限り二人は仲がよろしくないそうだな。」
『仲が悪いと都合の悪いことでもあるんですか？』

社長相手にここまで言えるこいつはすげえと思う。
すると社長がため息をついてタブレットを見せて来た。

「これだよ。」

俺とかいつの不仲説の記事だった。
デビューする寸前のユウタが撮ったメンバーのジェヒョンと絡んで笑っていたAが、部屋に俺が入った瞬間に嫌そうな顔をした、というGIF画像だった。
しかも俺がその時に盛大に眉を寄せたのがはっきり映ってたので不仲なのでは、という疑惑がつけられている。
その上アップされている他のGIF画像でも、俺と一緒のものは極端に少ない上に、アイドル運動会でゲストで登場した時に俺と喋るとこともなかったし、むしろお互いに不機嫌になってた。

「嫌いなら嫌いなままでいい。でも、イメージを落としてしまうようなことをするな。分かってるだろう。」
『…』
「…仲が悪いわけじゃないんです。」
「なんでそう言えるんだ？」
『は？』
「前にAが取材で、表情があまり変わらない堅そうでそれで自我が強そうな奴は嫌いって言ってたじゃないですか。その時にふざけてメンバーが俺みたいだって言って来たのでつい気にしてしまって、あまり近づかないようにしてたので、Aも多分嫌ってると勘違いしてると思うんです。」

メンバーに言われたってのは嘘だけど、そのほかは本当。
嫌ってるわけじゃないけど…みたいな。

「そうか。Aは今のに対して言いたいことはあるか？」

事を大きくするな、と目を見ると察したのか、何もありません、と言ったA。

「よし、雑誌のコンセプト、聞いておくか？」
『は、ああ、はい』
「友達以上恋人未満。」
「『は？』」
「君たちには不仲説がある。それがなくなるくらい仲良くべったりくっついて仲がいいように見せる必要がある。なにか異議はあるか？」
『…どこまでやらせるつもりでしょうか。』
「それはカメラマンに任せている、が、キス程度までは練習しておいた方がいい。多分。」

社長室を出された後、互いに顔を見合わせた。
面倒なことになった、そう顔に書いてあった。

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