夫殺しの未亡人とリッパー ページ12
リッパーサイド
ヴィオレッタや白黒無常に任せていた協力狩りに久し振りに出向いた。
廃れた遊園地で共に組んでいたAの立ち回りの良さもあり暗号化三つを残して残り四人だった。
「お手をどうぞレディ。」
『ありがとう、ジャックさん。』
手袋に包まれた華奢な手を取ってサバイバーを探すのは案外悪くない。
地面に引きずる程長い彼女のドレスのおかげで移動が遅くなってしまうがどうせあと四人しかいないのだ。
もう片方の手で黒と赤を基調としたドレスの裾を持ち上げながら高いヒールで淑やかに歩く彼女は本当に天使のようだった。
『私に合わせなくても良いのですよ、ちゃんと追い付きますから』
「そんなことを言って、またヒールを折るんでしょう。」
『…意地悪ね。』
急ごうとして協力狩りでヒールを折るのはしょっちゅうらしく、帰り道でよく肩を借りていたら背負われていたりと大変そうである。貴族も楽じゃない。
『衣装替え、してしまおうかしら』
「貴方はそのままでも十分魅力的ですよ。」
『ゲームで動かないなら意味がないでしょう？』
「貴方の分私が動きますから、大丈夫です。」
ね、と念押しをするように顔を覗き込むとベールの奥の瞳が一瞬揺らいだ後人形のような冷たかった綺麗な顔が綻んだ。
『あら。誰か、罠に。』
彼女の特質である男性サバイバーにしか効かないという罠に誰かかかったらしい。
罠にかかると30秒そこから動けなくなるがハンター本人がいる際には発動しないらしく、30秒でサバイバーのもとへ辿り着けるかどうか。彼女の悩みである。
『ジャックさん、私はここで出口を見張っています。』
「いいえ。貴方も行くんです。」
自分の予想が当たるなら四人は全員で行動している可能性がある。ジェットコースターで反対まで逃げ切れるようにしているはずで。
確かに別れれば効率はいいが彼女の足が到底追いつけるとは思えない。
それなら二人でいけばいい、と思いAを抱き上げて出口に向かう。ついでに暗号化もラストひとつだ。
『ジャックさん？あの』
「一緒に、捕まえるんです。わかりましたか。」
『…わかりましたわ。』
素直に頷いた彼女に気を良くしながらついつい顔を覗き込むと珍しく笑ってまた、意地悪ね、と私の肩を叩いた。
『貴方を見てると夫を思い出すわ』
ーーーーーーーーーーーー
未亡人てよくない…！？
貴族のボンボン出身。夫の浮気が許せなくて殺しちゃった☆なお淑やかなのに怖い人。基本的にはいい子。
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目玉焼き - 妊娠ネタとか大好きです…！がんばってください、陰ながら応援してます(*' ')*, ,) (2019年8月25日 10時) (
レス) id: f2f16cb7e0 (このIDを非表示/違反報告)
暁 - はわ…解剖医主も好きだし守銭奴主も…みんな好きです…、守銭奴主煙草吸ってるとか反則でしょう。尊死にました、これからも頑張ってください！応援しています。 (2019年7月26日 14時) (レス) id: 89b85d5207 (このIDを非表示/違反報告)
おトク(プロフ) - わしも想像妊娠ネタが刺さった。 (2019年6月21日 10時) (レス) id: 8135fdc69e (このIDを非表示/違反報告)
ドクモ(プロフ) - 想像妊娠ネタがすごく性癖を刺さった、是非ひとりずつの小説化にして欲しいです (2019年5月29日 11時) (レス) id: 763783cfb5 (このIDを非表示/違反報告)
グレイング(プロフ) - 楽しませてもらっています、頑張って下さい！ (2019年4月8日 23時) (レス) id: 5a76a9ad2f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆりと | 作成日時：2019年3月26日 2時
