悪魔の子の小さな異変 ページ12
sideA
あの日から、おくたびねるのフロイド先輩達が色々してくれるようになった。今まで1人で食べてたご飯の時も、同じテーブルに来て食べたり、フロイド先輩は購買でお菓子をたくさん買ってくれる。どうして？って聞いたら、またちぎょだからって言われた
『僕、ちぎょ、じゃないですよ』
「いや稚魚ちゃんは稚魚でしょ。12なんてまだまだ保護対象じゃん……あー、稚魚ってのは名前じゃなくて、陸でいうとコドモって意味ね」
ムスッとしてたらフロイド先輩はハッとしたように目を瞬かせてから説明してくれる。そっか、名前を覚えてくれてない訳じゃないんだ、ならいいや
「んで？稚魚ちゃんこれからどーすんの？」
『これから…？』
「そー、この後予定とかあんの？遊んだりとかさ」
『……ううん』
何気なく言われた質問に首を振って答えたら、先輩は口に咥えてた飴を噛みながら僕の頭を乱暴に撫でてくる。お師匠様とも寮長とも違う撫で方にびっくりして目を瞑ったら、「じゃあオレと遊ぼっか」って言われた
『…？』
「オレも暇なんだよねぇ、ジェイドは山行くしアズールは部活だし……だからぁ、稚魚ちゃんと遊んだげる………って言ってもなぁー、稚魚ちゃんなんも知らなそーだし」
そう言った先輩はニコニコしていて、胸ポケットから出したマジカルペンを呆然としている僕の前で何度か振った。すると次の瞬間、何も無い空中に水が浮き上がり、次々と形を作っていく
『わっ……わぁあ！』
たこ、いるか、おさかな、くらげ…何時だったかイルマ様から教えて貰ったことのある生物があっという間に出来上がっていく。フロイド先輩が操るペンに合わせてそれ等も動き出し、僕達の頭上で円を描いて泳ぎ出す
『海のなかみたい！先輩すごい！』
「でしょー」
『いいなぁ、僕もやりたいなあ…』
「稚魚ちゃんも魔法つかえんでしょ？コツ教えてあげるからやってみればぁ？」
水で出来た海の生き物を見上げて呟いたら、先輩は不思議そうに僕の制服のポケットに入ったマジカルペンを指差した。確かに魔法は使えるけれど、出来るかなぁ？って考えている間に、先輩は新しく水を出して説明を始めてしまう。慌てて耳を傾けた僕だったけど、不意に心臓が激しく脈打ち、思わず動きを止めてしまった
「聞いてんの？稚魚ちゃん」
動きが止まった僕を見下ろして先輩は訝しげに眉を顰める。ごめんなさい、って謝りたいのに口から出るのは音のない空気だけ………あ…これ……お師匠様がいないとだめなやつだ…
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(^^) - てぇてぇ (3月30日 4時) (
レス) @page36 id: 4e37b35646 (このIDを非表示/違反報告)
風船ガム - 夜宵依さん» コメントありがとうございます！教師陣がかっこいいと言って頂けて嬉しいです…！是非ぜひ、ツイステの方も面白いので見てみてください！ (9月3日 23時) (レス) id: f0222be816 (このIDを非表示/違反報告)
風船ガム - ヴァターシさん» コメントありがとうございます！そう言って頂けるととても嬉しいです！更新頑張ります (9月3日 23時) (レス) @page30 id: f0222be816 (このIDを非表示/違反報告)
夜宵依 - 教師陣かっこよすぎます……！！ツイステは見たこと無かったのですがこの作品をきっかけに見てみようかな、と思いました(*^^*) (8月24日 22時) (レス) @page30 id: 8ca662a052 (このIDを非表示/違反報告)
ヴァターシ - イフリート先生やダリ先生、オペラ先生がかっこよかったです。これからの更新頑張ってくださいね (8月7日 19時) (レス) @page30 id: 60d9cbf677 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：風船ガム | 作成日時：2023年4月20日 22時
