愛心 ページ40
少し安吾と二人で話がしたい。そう頼むと、織田作くんは太宰を無理矢理引っ張って何処かへ連れて行った。太宰はしぶしぶそれを了承したようである。私はその一部始終を見て、密かにため息をついた。
「で？ 話ってなんだ？」
眼鏡を弄りながら安吾は聞く。急に話がしたいと言われたら、それくらいしか言えなくなるだろう。私なら自分から口を開くこともしないだろうが、そこは安吾だ。自分から口を開いた。
「⋯⋯安吾にとって、大したことではないと自分でも思ってはいるんだけど。一応」
安吾と私は勿論違う。他人なのだから当たり前だ。安吾は細かいことをあまり気にしない豪快な奴だと思うが、私は神経質で無気力な、あまりにつまらない人間なのだと自負している。正反対のような私と安吾の考え方は変わってくるだろう。
「⋯⋯置いていって、ごめん」
織田作くんの死後。私は安吾や太宰に置いて行かないと宣言したはずだった。が、しかし、その宣言はいとも容易く破られる。あの火事だ。結果的に、私は太宰や安吾をこの世に置いていった。織田作くんが旅立ったとき、置いて行かれる恐怖と寂しさは存分に味わったはずなのに。ーー眼鏡の奥の目が優しく微笑んでいるように見えた。
「気にすんなよ。別に怒ってなんかいねぇから」
高身長な安吾。その高い位置から長い腕が伸び、私の頭をくしゃりと撫でる。変わってなんかいない。いつもの、優しい安吾だった。
「⋯⋯うん」
私はまた、言葉を濁すだけだ。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーアイテム
革ベルト
ラッキーカラー
あずきいろ
ラッキーナンバー
8
ラッキーアルファベット
X
ラッキー方角
西 - この方角に福があるはずです
おみくじ
おみくじ結果は「末凶」でした！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 54人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ラエル(プロフ) - 白樺派先生方をお願いします (2023年4月14日 15時) (
レス) @page34 id: 2dd5f200d4 (このIDを非表示/違反報告)
奏星(プロフ) - はい！是非お願いします！ (2017年11月12日 18時) (レス) id: e5211bd18f (このIDを非表示/違反報告)
有栖川白兎 - 奏星さん» 石川先生は次の話で登場させるつもりですが、北原先生も登場させたほうがよろしいですかね？彼も一応、明星には関係あるので…… (2017年11月12日 17時) (レス) id: 5116200095 (このIDを非表示/違反報告)
奏星(プロフ) - はい！ありがとうございます！ (2017年11月12日 14時) (レス) id: e5211bd18f (このIDを非表示/違反報告)
有栖川白兎 - 奏星さん» 閲覧、コメントありがとうございます。明星の先生方とはいつか絡ませたいと思っていたのでちょうどよかったです。近いうちに書きますね (2017年11月12日 14時) (レス) id: 5116200095 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：有栖川白兎 | 作成日時：2017年11月3日 14時
