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SDからの頼まれ事 ページ18

sideダリ



終末日に入って三日程経った頃、理事長のSDを務めるオペラさんから数日留守にするのでAの様子を見ていて欲しいとの言伝を預かった。何でも付き添いとしてどうしても参加しなければならないそうで、最初はAも連れて行こうとしたがあの子が頑なにお留守番をすると言って聞かなかったそうだ



僕としてはAに会えるからと快く承諾した事を思い出す


「あ"っ!!」


職員室で、やり残した仕事を片付けていた僕はその出来事を思い出しガタッと音を立て椅子から立ち上がる。道ずれにした他の先生達が此方を見るが僕は一人青ざめた


カレンダーに目を向ければ約束の日から1日経っていた。本来ならば昨日、あの子の元へ行かなければならなかったのに……やり残した仕事の事を考えていてすっかり忘れていた!


「しまった……」


たった1日、されど1日……だがその1日は、あの幼い子供にとってどれほどの孤独を与えたか僕ら大人では測り得ない。道ずれにしてしまった手前、一人抜け出す事も叶わないだろう


エイト「……どうかしたんですか?……それとこの書類の確認をお願いします」


「……あ、うん……」



火のついていないタバコを咥えたエイト先生から書類を受け取り確認の印を押した僕は、彼にA君の事を覚えているかと声をかける


エイト「A君の事なら覚えてますよ。あの日から一回も会えてませんけど……今頃どうしてますかね、あの子」


「……気になるなら確認に行こうか」


エイト「えっ…仕事は…」


「今日は終わりにしよう。うん、よし!……決まり!今からA君の所に行くヒトは僕のあとに続いて下さい!」



これなら僕の失態を知られる事無くあの子の安否確認に行ける。我ながら良い考えだ……声を聞いた先生達は、書類を手放し挙手すると僕に続いて職員室から足を運び出し、共にA君の元に向かった






理事長の邸宅に到着し、チャイムを鳴らすが誰も出てくる気配は無い。暫くしてもう一度鳴らすがやはり中から誰かが出てくる事は無かった。A君も共に行ったのだろうかと考えるが、オペラさんは頼み事を破る様な真似はしない……ともすれば何かあったのか……若しくは、まだあの子は寝ているのだろうか…様々な思考が頭の中を廻り始める。刻一刻と時間だけが過ぎて行き、気付けば僕達は門を飛び越えていた


イチョウ「…鍵が開いてる…?」

ツムル「それで誰もいないのはおかしいだろ…」


鍵の開いていた玄関の先…邸宅の中はシンと静まり返っていた

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風船ガム - くじらさん» 朝からの癒しになって良かったです!更新頑張ります! (9月6日 20時) (レス) id: f0222be816 (このIDを非表示/違反報告)
くじら(プロフ) - 朝っぱらから癒やされました。更新頑張ってください…! (9月6日 6時) (レス) @page12 id: 85541f6d4c (このIDを非表示/違反報告)
風船ガム - コウさん» ありがとうございます!これからも更新頑張ります (9月5日 9時) (レス) id: f0222be816 (このIDを非表示/違反報告)
風船ガム - 赤憑さん» コメントありがとうございます!そう言って頂けて良かったです…!ご希望に添えられていたら幸いです……是非これからもよろしくお願いします (9月5日 9時) (レス) id: f0222be816 (このIDを非表示/違反報告)
コウ(プロフ) - とても面白かったです!これからも頑張ってください! (9月5日 6時) (レス) @page9 id: e3e40485f7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:風船ガム | 作成日時:2023年4月29日 23時

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