愛し可愛い悪魔の子

狂気じみた悪魔 ページ17

『…い、たい…！』


「許せなかった……だから父親には事故に遭ってもらったよ。母親の方はその後すぐにお前をあの家の前に棄てて父親の後を追った。薄情な母親だよな、子供のお前を育てる事を選ばずに、愛した男の後を追ったんだ…」


僅か四歳のAにとって男の言葉のほとんどは理解出来ないものであった。彼の中にあるのは目の前の男に対する恐怖心、ただそれだけだ



「…それで、この間たまたまキミを見かけた。驚いたよ……キミは母親とそっくりで可愛らしい顔立ちをしていから直ぐに分かった。だから此処に来てもらったんだ、A君」



今すぐここから逃げ出したい、助けて欲しい…考えられはしても、恐怖により引き攣った喉から出るのは掠れ震えた声ばかり。やがてAはポロポロと涙を零し始め、激しく抵抗しようと手足をバタつかせた




けれども男は容赦なくAの頭を殴りつけ、Aが痛みに泣き出すまで抵抗する力を奪い取る




「キミはお兄さんが育ててあげる。キミのお母さんと同じ様に、可愛い悪魔になるように……ただ、お母さんとは違ってお兄さんの言う事を聞くようにしっかりと教育はするけどね」







泣きじゃくるAを、次は口を塞ぎ黙らせる。静かにしろと怒鳴りつければAは当然更に激しく泣き出した

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