スパルタ師匠 ページ2
今日は飛び方を教え込む…というより、叩き込む。口頭で教えても甘えてやらない為に無理矢理にでもやらせるしかないのだ
『ぼく、もうはねだせる！』
そう言ってはしゃぐAを摘み上げ私は谷底を覗き込んだ。Aもそれに習って下を覗き込み、そして顔を上げ私を見る
『おちちゃうといたいねー』
「落ちちゃうと痛いですよ。さぁ翼を広げて」
呑気に言うAに指示を出せば、Aは素直に翼を広げた。褒めて！とでも言いたげに瞳を輝かせるAだが、私はそのまま腕を前に出しこの子の身体を谷底の上へと翳す
『おししょーさま…？』
「頑張りなさい。飛び方は教えた通りですよ」
キョトンと首を傾げたAの身体を離せば、小さな身体はそのまま谷底へと落ちていく。驚嘆し…けれど状況を理解したAは泣きながら落ちていくが頑張って翼を動かし飛ぼうとしていた。甘えたがりな所があるが、あの子はやれば出来る子だ…
『おししょうさまのばかぁぁあ！！』
思った通り、Aは必死に翼を動かし半分程落ちた所で落下を凌いだ。けれど上昇する事は難しいのか、ゆっくりと、けれど確実に…翼を動かす分落ちていく
「…おやまぁ」
『のぼれないよ！おししょうさまぁあ！』
「大丈夫ですよ、私は此処に居ますから。本当に危なくなったら」
うわー、と泣き叫ぶAに言えば馬鹿と罵りながら谷底へと落ちていった。まぁここには危険な魔獣もいませんし、先程も言った通りあの子はやれば出来る子…万が一何かあったらすぐに駆け付けたら良いと考え私はその場に腰を下ろす。すぐ助けに行ってはあの子の為にならない。遥か下から幼い声が聞こえるが、手を差し伸べるような真似はしない……否、してはならない
「A、ここまで上がって来なさい」
『できなぃいいい！！』
「直ぐに出来ないと諦めない！……本当に危なくなったら助けに行ってあげますから頑張りなさい」
喝を飛ばせばより一層泣き声が酷くなる。痛い、出来ない、助けて、という言葉に耳を貸さず私はお茶の用意を始めた
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風船ガム - くじらさん» 朝からの癒しになって良かったです！更新頑張ります！ (9月6日 20時) (
レス) id: f0222be816 (このIDを非表示/違反報告)
くじら(プロフ) - 朝っぱらから癒やされました。更新頑張ってください…！ (9月6日 6時) (レス) @page12 id: 85541f6d4c (このIDを非表示/違反報告)
風船ガム - コウさん» ありがとうございます！これからも更新頑張ります (9月5日 9時) (レス) id: f0222be816 (このIDを非表示/違反報告)
風船ガム - 赤憑さん» コメントありがとうございます！そう言って頂けて良かったです…！ご希望に添えられていたら幸いです……是非これからもよろしくお願いします (9月5日 9時) (レス) id: f0222be816 (このIDを非表示/違反報告)
コウ(プロフ) - とても面白かったです！これからも頑張ってください！ (9月5日 6時) (レス) @page9 id: e3e40485f7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：風船ガム | 作成日時：2023年4月29日 23時
