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8 I can't do it. ページ8

しばらくすると、司祭が俺の前に現れた。

「お前さん、魔物じゃろ。
そんで何かの事情でこいつを守っとる……。
まあ、こいつは仮にも人間じゃ。
言葉を教えてやろう。
今、魔物の言葉を仕込めば、
いい使い捨ての駒になろうに。」
俺は司祭の言葉にはらわたが煮えくり返った。

しかし、
ここで問題を起こすわけにはいかない。
ふいに、司祭が聖水を顔面に叩きつけた。
顔に鋭い痛みが走り、
術を司る頭から力が抜けていく。
何なんだ。この男は。
もう一発食らえば、
完全に狼の姿に戻ってしまう。

「何故拐った?
その辺に人間が捨ててあるとでも
思っとるのか?穢らわしい獣めが。」
そのくらい分かってる。俺は。

「いいや、助けた。
穢らわしいのはお前達人間だ……。
あいつが何をした?
まだ何も分からない子供だぞ?
お前ら人間に預けてられるかよ……。」

司祭がにやりとしたように見えた。
「何も分からない……ね。
お前が穢れとることくらい子供でも分かる。」
司祭は、聖水の入った瓶を掲げて言った。
「黙れ!
俺が穢れていようと、
あの子の目が曇りはしない!」
司祭は、瓶を俺の顔に叩きつけた。

顔の痛みは先ほどよりも鋭い。
頭が真っ白になり、狼の姿が露わになる。
ああ、ルナードはこの姿を怖がっていたっけ。

ルナードを育てることに、
賛成した人は誰もいない。
俺自身も、未だに自問自答しながら
その右手を握っている。
それでも、
もう少し、側にいたい。
薄れていく意識の中、
ああ、聖水というのは、
心まで真っ白に塗り替えるのかな。
と、馬鹿げた考えが首をもたげた。

9 I defend you.→←7 I need thing is you don't need.


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設定タグ:シリアス , ペケーニョ・デレーチョシリーズ , アップルパイ   
作品ジャンル:ファンタジー, オリジナル作品
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作者名:クインテット | 作成日時:2016年7月7日 22時

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