な _ VII ページ7
-----
「嗚呼、死にたい」
太宰は一人、自分の執務室で椅子に座っていた。
Aと口を利かなくなって数日が経った、今、太宰は一日に死ぬ回数が三倍に増えた。
今までならAと話したり、遊んだりしていた為、死ぬ事は一日に二回ぐらいと少なかった。
Aと喋りたい、
Aと遊びたい、
Aに逢いたい、
そういう思いが膨れ上がって、気付いたら縄に首を掛けているなんてしょっちゅうだ。
今もそうだ。
数秒前にカッターで腕を切った。
ドクドク、と血が腕から流れる。
何時も通りに其処ら辺にあったタオルを腕にまくが数秒したら白が真っ赤に染まった。
「…ヤバいかも」
太宰は今まで死ぬのを成功した事がない。
成功するギリギリの意識が失うまではいったが死ねてはいなかった。
痛いのも嫌だ、苦しいのも嫌だ。
だが、今回は痛くも苦しくもない。
只々、血が流れているだけ。
…善いじゃあないか、これで。死ねるのだもの。
太宰はそう思い赤くなったタオルを巻いたまま席に座り目を伏せた。
……善いのか、此れで。本当に未練はないのか。
不意に思った。
このまま死んだら絶対に成仏できない。
まだ、Aに謝ってないのだもの。
太宰は顔色変えた。
赤くなったタオルから白い新しいタオルへと変える。
まだ死なない、否、死ねない。
太宰は決心し執務室から飛び出した。
太宰は中原から今日の任務の時間を聞いている。
あの二人ならもう終わって帰路についているところだろう、と予測した。
「A…!!」
太宰は普段なら絶対に出せないスピードでAの処へ向かった。
タオルはピンクに近づいていた。
-----
88人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
結愛 - ……おさむんの夢主を思う気持ち伝わって泣けた。うん (2023年2月28日 22時) (レス) @page3 id: 5309fc8273 (このIDを非表示/違反報告)
桜もち(プロフ) - なんか泣けました。サイコー( ;∀;) (2020年4月18日 0時) (レス) id: b9064fdf81 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:遠藤氏 | 作成日時:2020年4月13日 10時