て _ III ページ3
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「Aに…、Aに逢いに行っていいですか」
太宰は奈落の底に落とされた様な気分だった。
Aが任務から帰ってきたと思ったら、
重症で挙句の果てに意識以外が異能生命体になってしまった。
今にも叫びたかった、
今にも訳の判らない怒りを誰かにぶつけたかった。
だが、その度に太宰は彼女の言葉を思い出す。
__治、帰ってきたら『ただいま』と『おかえり』だよ!!
太宰は触れられなくても一言云いたかった。
" おかえり " と彼女に云いたかった。
* * *
ガチャ
「A!!」
医療室の扉が開く音に重なって、太宰がベットに座る彼女の名を呼ぶ。
「うおわっ、…治か。吃驚させないでよ、って、ああ!!…本、閉じちゃった」
有沢Aは手元に先程まで読んでいたであろう、本を持っていた。
大方、しおりを挟むのを忘れたから落ち込んでいるのだろう。
「A…、」
太宰はAに手を伸ばすが、首領室を出る時に森に云われた事を思い出す。
__太宰君、くれぐれもA君には触らないでね。異能を解かれると彼女は本当に消えてしまう。
「…治?」
Aは太宰の行動に首を傾げた。
「…A、おかえり」
太宰は手をさり気なく背後に回し云った。
「ふふっ、何かあった?治。…ただいま!」
Aは無邪気に笑って云うが、その笑顔が太宰の心を締め付けた。
もう二度と触れない悲しみと、
大切な人を守れなかった自己嫌悪。
太宰には到底理解できない感情だった。
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結愛 - ……おさむんの夢主を思う気持ち伝わって泣けた。うん (2023年2月28日 22時) (レス) @page3 id: 5309fc8273 (このIDを非表示/違反報告)
桜もち(プロフ) - なんか泣けました。サイコー( ;∀;) (2020年4月18日 0時) (レス) id: b9064fdf81 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:遠藤氏 | 作成日時:2020年4月13日 10時