触 _ I ページ1
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ポートマフィア首領室。
「Aが重症…?!」
太宰治の声が首領室に響く。
首領室にはマフィアの首領、森鴎外と最年少幹部の太宰治が居た。
「そうなんだよ。A君はね部下を庇って胸に三発銃弾を食らったのだよ」
皮肉だねぇ、と森は顔を顰める。
マフィアの裏切り者には顎を破壊し胸に三発、それが鉄則だった。
「Aは、Aは生きているのですよね…?」
太宰の声は震えていた。
もし、Aと喋れなくなったら。
もし、Aと遊べなくなったら。
もし、Aが死んでしまったら。
もし、A_________。
それを考えるだけでも息がしずらい。
「意識はね」
森は下唇を噛む。
「意識、は…?」
太宰は考えた。
意識が生きているという事は肉体は死んでいる?又は感覚が死んでいる?
一番最悪なのは意識以外が死んでいる。
「…A君はね、」
ゴクリ、と息を呑む音が耳の隣で聞こえる。
「既に死んでいるのだよ」
森の言葉に太宰は絶望した。
意識は生きているのに死んでいる、それが理解できなかった。
「え、死ん…で、?」
太宰は今まで何もの死を見てきた。
自分で殺った者達もいるが、此処まで誰かの死に対し驚く事はなかった。
でも今回は違う。
死んだと告げられた者が、
太宰の数少ない " 友人 " な事、
太宰が誰よりも守りたい " 大切な人 " だからだ。
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結愛 - ……おさむんの夢主を思う気持ち伝わって泣けた。うん (2023年2月28日 22時) (レス) @page3 id: 5309fc8273 (このIDを非表示/違反報告)
桜もち(プロフ) - なんか泣けました。サイコー( ;∀;) (2020年4月18日 0時) (レス) id: b9064fdf81 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:遠藤氏 | 作成日時:2020年4月13日 10時