Hurry up! -Daiki.A- (ページ30)

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＊Ep.30 ページ30

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窓の外から聞こえる激しい雨と雷の音。

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やっと家具と電化製品がそろった俺は、

新品のベッドに腰掛けながら、窓の外を眺めていた。

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大「これじゃぁ、明日も雨だなぁ。」

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伊野ちゃんにぬらされてしまった制服を乾燥機にかけようと立ち上がると、

訪問者を知らせるチャイム音が部屋に鳴り響いた。

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時計をちらっと見ると、もう夜の9時過ぎ。

こんな時間の訪問者――――…

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でも、俺は予想がついていた。

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大「また、寂しくなったの……?」

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あ「大貴――――…」

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髪も服も冷たい雨にぬれたAが

俺の胸に飛び込んできた。

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頬には雨と混じった涙。

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俺以外の男に傷つけられたことを示すもの。

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あ「大貴―――――…好き――――…」

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俺に抱き着きながらAはそう言った。

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大「そんなの知ってる――――…」

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最初からこうなるってわかってた。

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必ずAが俺の胸に飛び込んでくると思ったから、

蜘蛛みたいに待ち伏せしてたんだよ。

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愛してはいけないのに愛してしまった俺ら。

もう振り返らない――――…

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