風に翔ける【究極の絆グリフォン】 (ページ17)

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「あれ、なんでAいんの？」

「1日マネージャーなのですよ」

「本当にやなんだけど」

へーマネージャー？と気さくに微笑むカイと滅茶苦茶に睨んでくるシュウの温度差で風邪を引きそうだ。

次の日。エンシャントダーク＋私は、朝の陽光を浴びながら備え付けの外フィールド中央に集まっていた。無論、例の作戦を実行する為に。

シュウにはあの後死ぬほど嫌がられたけれど、地面にめり込むほどの土下座と頼み込みで無理矢理付いてくることに成功した。

やっと雷門を間近で見られる、とほっと一息つけたと言えるだろう。何時迄もついてきて鬱陶しい、と睨まれたこと以外は。

「大丈夫だよシュウ、ちゃんと雷門分析するから！」

「寧ろそれしないなら君行く意味ないからね？」

「よし行こう！」

「仕切らないでよ、大体Aは…」

　 “円堂守と愚かな少年達に告ぐ！！”

シュウがまた小言を連ねようとした時。キィーンッ！！と耳鳴り、そして聞きたくもない嗄れ声。なんで朝っぱらからおっさんの声で目覚めなきゃいけないのか。

台詞を遮られたシュウは不貞腐れたように声の元を睨みつけた。後で私に八つ当たりが来ませぬよう。

“3日後、お前達雷門と我々フィフスセクター公認チームによるスペシャルマッチを行う。

場所は島の中央にある我々の施設、ゴッドエデンスタジアムだ！”

施設内、外、島中に取り付けられた何百個にも及ぶスピーカーから同じ声が鳴り響く。なんの嫌がらせだろうか。電源切りたい。

“お前達はこの試合を拒むことはできない！此方には人質がいるということも分かっているだろう。3日後を楽しみにしているぞ！”

獣のように喚き散らしていた牙山、の声は、そこでぷつりと切れた。なんて人騒がせな。

「っていうか、やっぱり人質使うんだ、趣味悪ー」

「教官の趣味なんていつでも悪いでしょ、何言ってんの」

「あのシュウさん、もしかして機嫌損ねました…？」

…そっとしておこう、とばっちりが怖い。