風に翔ける【究極の絆グリフォン】 (ページ13)

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12 雷門side ページ13

ところ変わって、ここはゴッドエデン郊外に位置する洞窟。

雷門イレブン、そして彼らを救った謎の影…基円堂守と、元イナズマジャパンメンバーである風丸、吹雪、壁山、不動の総勢18名は、一時的ではあるがここに身を寄せていた。

今全員が集まっているのは、洞窟の中でも最も広い空洞。円堂達の拠点にもなっているのか、端々に彼らの荷物が散乱していた。

ぱちぱちと音を立てて燃え続ける焚き火を少し見やった後、円堂は反対側に車座になるように座っているイレブンに目を向ける。

「この島では、少年達を閉じ込めて無理矢理特訓させている可能性がある…俺達は、それを調べる為にこの島に乗り込んだんだ」

「無理矢理って…本当なの、剣城…？」

天馬が剣城を見やり、首を傾げて言う。その額には、うっすらと冷汗が浮かんでいた。

ゴッドエデンについて何も知らないままにアンリミテッドシャイニングとの試合を行った雷門だったが、円堂達からの説明を受けるにつれ、その顔には不安が色濃く写る。キャプテンである神童といえば、眉間に皺を寄せ、何かを考えているようだった。

「可能性じゃなくて、事実です」

「…やっぱりお前も、この島にいたんだな」

「はい。さっき戦ったアンリミテッドシャイニングのキャプテン、白竜とはここのトップを争いました。…監督、どうして俺に聞いてくれなかったんです？俺の知っていることは、全部話したのに」

静かに言った円堂と相反するように、普段の様子からは想像がつかないような切羽詰まった声で剣城が言った。

その姿からも、彼にとってここでの記憶が良いものとして残っていない、ということは誰の目にも明らかなことだった。

「じっとしてられなかったんだよ。それに、お前達を心配させたくなかった。…結果的には、こうして巻き込んでしまった訳だけど。本当にすまない」

「監督が謝ることありません！俺達嬉しいんです、監督や、皆さんに会えて！ここまで来たら一緒に戦いましょう。ゴッドエデンにいる選手達を、助けるんです！」

天馬の声に円堂は頷き、一同を見渡して口を開く。

「天馬の言う通りだ。ここにいる少年達は、全員囚われの身と変わらない。彼らを解放し、フィフスセクターの陰謀を暴く。平等の名の元に、どんな酷いことが行われているのかをな」

…青い満月の光だけが、この空間を支配していた。