な _ VII ページ7
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「君は幽霊なんかじゃない」
江戸川は男が持っている拳銃を奪いAに向ける。
「撃っても無駄な事、知ってるくせに」
二人の居る部屋に死んだ男の仲間がやってくる音が響く。
「…とりあえず、この事件解決させてからでもいい?」
「否、強制終了かな」
Aは江戸川から拳銃を奪い取り、秒で連続誘拐犯を
まるで連続殺人事件の犯人みたいに。
* * *
探偵社までの帰り道、二人は河川敷に訪れた。
「それで、質問は?」
江戸川は超推理で全て分かってしまった。
Aがあの日、連続殺人犯としての仕事を終えた事も。
Aがあの日、最後の一人を殺した事も。
Aがあの日、異能を所持していた事も。
「僕の推理はこうだ」
江戸川はAの質問に答えずに云う。
君は連続殺人犯だ。
その連続殺人をしていたのは自分に合った
君の異能は『死んだ人に乗り移る異能』または『死んだ物を操る異能』
そうでしょ?
江戸川の言葉にAは曖昧に微笑んだ。
その異能で今の躰を操ってるから浮いたり、走ったり、喋ったりできる。
似てるところで云うなら今の君は異能生命体だ。
現に敦には見えなかったのに対し、太宰には見えているからな。
それと___、
江戸川が続けようとした途端、Aは失笑する。
「笑うとこ?」
「ごめんごめん、凄いなあって思って」
江戸川はAを
「探偵君の云ってる事は全て真実だからいいでしょ」
凄いね、とAはわざとらしく手を叩く。
「で、本体は何処にあるの?」
このままでは埒が明かないと江戸川はAに訊いた。
「ああ、そこは解けなかったか」
Aはそう云い、立ち上がる。
「探偵君。ワタシの異能は『死んだ物を操る異能』だ」
「ま、さか…!」
江戸川の顔はみるみると青ざめていく。
全てを理解し、だが心の何処かでは理解したくないと拒否反応を起こした。
「だって、、そんなこと…、ありえない」
異能には特異点が存在する。
『必ず相手を騙す異能』と『必ず真実を見抜く異能』が干渉するように矛盾が生じた際、全く別の事が起きると云う事だ。
「自分の異能を自分にかけた…!?」
特異点と云うよりかは、異能をも騙した才能なのかもしれない。
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流琉 - 完結おめでとうございます。谷崎君のも楽しみにしています! (2021年12月10日 2時) (レス) @page10 id: 45a1f0a151 (このIDを非表示/違反報告)
アオイ - おもしろいです! (2021年9月13日 16時) (レス) id: 90f33f3d8e (このIDを非表示/違反報告)
アオイ - 続きが見たいです! (2021年9月12日 20時) (レス) id: 90f33f3d8e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:遠藤氏 | 作成日時:2021年9月6日 21時