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け _ VI ページ6

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Aと江戸川は柱に結束バンドで括り付けられた。



「兄貴、侵入者が()()です」

拳銃を二人に突きつけていた男は電話にそう云った。



すぐに違和感に気付いた江戸川は隣のAを見る。

どうして彼女がこの男に見えているのか、江戸川の知識の遥か上をいっていた。



「…ねえ」


「ごめん、ワタシもどうしてか分からない」

てへ、と効果音が付きそうな勢いでAは微笑む。



運良くか男は電話に夢中だ。



「これからどうする、探偵君」


「強行突破より状況把握だ」



江戸川は部屋を見回した。


扉を開けた瞬間に鼻を突くような異臭。

暗くてもはっきりと見えるような真っ赤に染まった部屋一面。

錆びついた拷問器具。


連れ去られた小学生が無惨に殺されたことが安易に想像できる。



「……」



Aはあることに違和感を覚えていた。


自分が殺った時に使った拷問器具ではないのと、どういうワケかこの結束バンドが解けないことだ。

それは " A " だから思う事であり、江戸川も頭の片隅で考えている事だろう。



「探偵君、先刻、『自分の異能力を使えば一発』と云っていたね」

だから早急に解いて、とAは江戸川に云った。


「はあ…、戻ったら駄菓子詰め合わせだからね」



そう云い、江戸川は服の袖に隠していた小型のカッターで結束バンドを切った。

そして男がこちらを向いてない隙に懐から眼鏡を出し、かけた。



異能力___『超推理』



Aも同じようにカッターで結束バンドを切り、横目に江戸川を見る。

彼は見る見るうちに顔色が悪くなった。


そして一言、



「……君、僕に嘘付いてない」



小さめの声で今までバレぬよう話していたが江戸川はそんなのも気にしなかった。

案の定、此方を見向きもせず仲間と連絡を取っていた男は振り返った。



「何を喋って__」

「嘘付いてるでしょ、云って!」



男の言葉を遮るように江戸川は云い、Aの胸ぐらを掴む。

勝手な行動をした江戸川に男の銃口が向くが一瞬で崩れ落ちた。



「ちょっと五月蝿い」



結束バンドを切断したカッターが男の眉間に刺さる。


男がカッターで貫かれても江戸川は動揺しなかった。

想像できていたからだ。



「はあ、、ホント死んでも面倒な人生だね」

「探偵君、その質問は『イエス』だ」



不穏な空気が流れ始める。




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な _ VII→←い _ V



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流琉 - 完結おめでとうございます。谷崎君のも楽しみにしています! (2021年12月10日 2時) (レス) @page10 id: 45a1f0a151 (このIDを非表示/違反報告)
アオイ - おもしろいです! (2021年9月13日 16時) (レス) id: 90f33f3d8e (このIDを非表示/違反報告)
アオイ - 続きが見たいです! (2021年9月12日 20時) (レス) id: 90f33f3d8e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:遠藤氏 | 作成日時:2021年9月6日 21時

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