鎖を解いて【乾青宗】

靄〈イヌピーside〉 ページ33

イヌピーside

5月半ば
柴大寿をボスに据え
10代目黒龍は勢力拡大真っ只中であった


特攻隊長を任されたオレはただひたすら
喧嘩を重ねる日々を送っていた


屋上で話したあの日の最後


『また学校来なよ』


そうAに言われて心底嬉しかったが
あの日以来登校していない


会わなければ平気だろうからメールくらい送ってもいいんじゃねぇかとも思った


しかしメールをしてしまえば会いたくなるのは
目に見えてたから一切の交流を断った


それでもメアドを受信拒否しなかったのは
まだ心の中で気持ちの整理がつかねぇからだ


メアドを持っていることだけが
オレとAの崩れ落ちそうな関係を繋ぎ止めてくれる唯一の証拠

いつからオレはこんなに女々しい奴になったんだ


…赤音がいてくれたらこんな相談もできたのだろうか


叶いもしないたられば話を考えていた、
そんなある日


喧嘩がひと段落して休んでると
メールの着信音が鳴った

「…え？」

画面を二度見したがそこにはしっかり
Aとあった

ちょうどAのことを考えていた時に
メールが届いたんだから
驚くのも当然だ


〔イヌピー、
ちょっと聞きたいことあるんだけどいい？〕


今まで一度もメールしてこなかったところを見ると
重要な用事かとも思うが、
あれから一度も会ってないから
なんとなく気まずくて返せずにいた


そうこうしてる内にまた黒龍の活動があったから結局だいぶ返信が遅れてしまった


〔どうした？〕


とだけ返して一旦様子を見ようと思ったが
思いの外すぐ返ってきた


〔イヌピーたちは修学旅行参加する？〕


修学旅行…か。
縁もゆかりもない名前を久しぶりに聞いて
一瞬フリーズした

どうやらオレはAと一緒の班になったらしく
ココも一緒なんだとか。

もちろんオレは
学校行事は始めから参加しない気でいたし
側に居たからココにも聞いたけど案の定
行かねぇと返事が返ってきた


だから行かない旨を伝えた。






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更新遅くなってすみませんm(_ _)m
ちょっと本誌のショックに心がやられてました(涙)
言い訳にしちゃダメですねはい。
実は作者は大4で卒論12月に提出なんですが、
一文字も書いてないのでこれから本気出さないと卒業できません( ; ; )
ですので更新頻度上げられないと思いますがご了承ください(ーー；)

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