What's your color？【短編集】

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あれから何度かデートに誘って、おでかけして。
今日は前に言ってた水族館へ行く。



少しでもなんかこう、心を揺り動かそうとして色々言ってみたものの、全然進展はない。




｢愛想がつきた！｣
とか
｢本当は彼女がいるんだよね｣
なんて。


まぁだったら行かない方がいいね、なんて言われて結局ネタばらし。嘘吐き続けてデートすら出来なくなるのは嫌だった。
全く、慣れない嘘はつくもんじゃないな…。



綺麗な魚達が優雅に泳いでいる。
ちなみに俺はと言うと水槽ごしに彼女を眺める。俺の方がまるで恋に悩める乙女じゃん。
それにしても、なんと水族館が似合う女の子だろうか。



彼女とゆっくりして、もうお別れの時間。


｢今日も送るね｣
｢ありがとう｣


また微妙な距離を保ちながら歩く。
この距離が開いてしまうことが怖くて、告白はまだできずにいる。


でも、今日言えなくても、明日言えたらいいな。きっと、まだ無理だけど。
気持ちは充分あるんだよ、気持ちは。
君の好みが違うなら、少しでも近づけるように頑張るし！




さっきCDショップの前で立ち止まって君が見ていた流行りのバンドは知らないけど、
きっと君はしないであろうゲームもめっちゃするけど、
深夜アニメもリアルタイムで見るけど！


｢オタク趣味は全然ないよ｣


そんな事言っても、流石にバレバレだったらしく、笑われた。


｢友達とアニメの話してたよね｣



なんて。





そうこうしているともう家の近く。
やっぱり、帰りたくない、帰したくない、
君の彼氏じゃ、ないけど…。


｢今日も、もしも話ばっかでごめんね？｣
｢大丈夫｣


あいさつをして、また家に入るまで見送る。


もし、帰りたくないって思ってくれたなら振り向いて！
そう願ってもどうせ、どうせ君は、







｢あおい、また、誘ってね｣




君は振り向いて一言言った。そしてそそくさとなかに入っていってしまった。




思わず叫びそうになったのを堪えてしゃがみ込んだ。
それはずるいって…。





次のデートの時、告白しよう。
慣れない嘘もバレバレな嘘も、もうつかない。
恋をして俺は強くなったから！




結果は言わないけど、
後日煎じは皆に責め立てられて、俺に二人分の映画のチケットをプレゼントするハメになったことだけは教えてあげる。




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先日アップされたあおい君の『君の彼女』が好きすぎてパロを書かせていただきました。可愛いなぁあおい君。

傘 牡丹→←君の彼氏 紅緋

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