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いつもより 檜皮 ページ19

「ちょーっと、野崎さん」
「ん」
「んじゃない、寝るならベッド」
「んー」



子供のように手を広げて甘える野崎さん。
か、可愛いけどその手には乗らない…!
乗らない…!のら…ない…



「ああああもうはい立って!」
「ふふ、ありがとう」



私に抱きついたまま立ち上がる。



「Aまだ寝ないの」
「ちょっと掃除してから寝る」
「俺が明日するから寝よう」
「いいよ、午後から練習でしょ?」
「そうだけど、一緒に寝たい」
「すぐ行くから」
「…わかった」



私だけが知ってる甘えんぼ野崎さん。



なるべく早く掃除を済ませて寝室に向かう。



「野崎さん、寝た?」
「いや、起きてる」
「ん、よし、寝よっか」
「A」



名前を呼ばれて、抱き寄せられる。
普段は細く思える腕も、今は男の人の腕だと実感する。




「今日はいつにも増して甘えたさんだね」
「そうかな」
「なんか可愛なぁもう」
「もっと好きになった?」



一定のリズムで聴こえる鼓動。
安心する、心地好い。



「もっと好きになった。大好き」
「ふふ、よかった」
「大人な野崎さんも、甘えたな野崎さんも」
「Aといると、つい気が抜けちゃう」
「嬉しい」



少し離れて顔を見合わせる。
あー、まつ毛長い、二重が綺麗、瞳が可愛い。



「そんなに見られたら穴が空く」
「空いたら私の愛で埋めるから大丈夫」
「それなら安心」



よくわからない会話を繰り広げるのももう寝る前の恒例になった。






「A、今日はもうちょっとだけ」
「…しかたないなぁ、明日は午後だから許す」
「やった」



野崎さんがこんなに甘えるなんて、本人も気付いてないかもしれないけど、何かあったんだと思う。




「野崎さん、今日も頑張ったね」
「…うん」
「たくさん、学べた?」
「…うん」
「明日の晩御飯好きなもの作って待ってる」
「嬉しい」
「応援してるからね」
「…ありがとう」


センマイ刺しはちょっと用意出来ないかもしれないけど、
たくさんの愛と応援を込めて用意するから。









「愛してるよ、野崎さん」



私はうとうとし始めた彼に囁く。

野崎さんは少し微笑んで言った。




「俺も、愛してるよ」

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ぽにし(プロフ) - ありがとうございます!リクエストをされた経験があまりないので上手くできるかは分かりませんがやってみますね! (2018年9月1日 11時) (レス) id: d00a8efe67 (このIDを非表示/違反報告)
あやり - いつも楽しませてもらってます!リクエストなんですが、のっくんとお部屋デートのお話を書いて欲しいです! (2018年8月30日 11時) (レス) id: 48605fbcd9 (このIDを非表示/違反報告)
ぽにし(プロフ) - イヴさん» ありがとうございます!これからもニヤニヤさせられるよう頑張りますね! (2018年8月4日 18時) (レス) id: d00a8efe67 (このIDを非表示/違反報告)
ぽにし(プロフ) - ことね@ ktnさん» それは良かったです笑 (2018年8月4日 18時) (レス) id: d00a8efe67 (このIDを非表示/違反報告)
イヴ - キュンキュン!! がとまりません!!ニヤニヤしながら読まさせていただいてます!更新(?)頑張ってください!! (2018年7月26日 21時) (レス) id: 6445a912e7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぽにし | 作成日時:2018年3月12日 19時

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