片翼の竜【ヴィランズ手下】 (ページ7)

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第5話ページ7

眠っている幼い少女の髪は漆黒で艶めき､サラサラとしていてドラゴンであった時のたてがみを連想させる

そっとマレフィセントが少女の頬を撫でる

『ぅ…』
マレフィセント｢おや､目が覚めたかい｣
『ｯ…!?』

少女は目を覚ますと顔を真っ青にしてベッドから降りようとする
しかし人間の体になったからか上手く動けずベッドから落下しかける
そこを慌ててディアヴァルがキャッチする

ディアヴァル｢おっとっと…｣
マレフィセント｢おやおや…そんな急に動いたりしたら傷がひらいてしまうよ｣
『ここ…どこ………だれ……?』

ディアヴァルの腕の中で少女はガタガタと震え､恐怖のあまり涙目になる
そして何とか腕から抜け出そうとじたばた動く

ディアヴァル｢あ､おいおい…動くなって｣
『やだやだ……こわいぃ……』
マルフィ｢大丈夫､怖い事なんて何も無いよ?｣
『うぅ…』

マルフィは少女を落ち着かせるようにそっと頭を撫でる

『…わたし……おうちが…もえて……にげたら…にんげんに……つかまって………やだよう…しにたくないよぉ……いたいのやだぁ……』

少女の目からはボロボロと大粒の涙が流れる

ディアヴァル｢あーあー…泣くな泣くな(汗｣
マルフィ｢君を襲った人間達はもういないよ｣
『……ほんと?』
マルフィ｢あぁ､だからもう痛い事は何も無いよ｣
『……ほんとに??』
ディアヴァル｢ほんとだよ､マレフィセント様がやっつけたからな｣
『まれふぃせんと…さま……?』
マルフィ｢そう､マレフィセント様が君を守って怪我の手当もしたんだよ｣
『……まれふぃせんとさまが……?わたしを…』
マレフィセント｢あぁそうとも…勝手に侵入して好き勝手やってくれた人間共には仕置をしてやったからね…そしてお前を人間に変えたのも私だよ｣
『…』
マレフィセント｢それよりもお前､名前はなんていうんだい?｣
『……A』
マレフィセント｢ふむ…A……いい名前じゃないか｣

マレフィセントは微笑んでAの頭を撫でる
すると落ち着いたのかAも安心したように微笑む

マレフィセント｢やっと泣き止んだかい…A､家は人間に燃やされちまったんだろう｣
『……うん…』

マレフィセントの言葉で襲われた時の事を思い出したのか再び涙目になるA

ディアヴァル｢ちょっとマレフィセント様…折角泣き止んだのに｣
マレフィセント｢そこで､今日からここで暮らすのはどうだい?｣
『え…?』