片翼の竜【ヴィランズ手下】 (ページ5)

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第3話ページ5

｢あぁ?｣
｢なんだよてめぇ｣

男達がマレフィセントを訝しげに見つめる

マレフィセント｢おや､私を知らないかい?それでよくもまぁ私の森で好き勝手やってくれたねぇ｣
｢は…?｣
｢な!なんだよ!?｣

マレフィセントが杖でトンと地面を叩くと次々と地面から禍々しい茨が生え始め男達に向かって伸びていく

｢ひっ…!｣
マレフィセント｢足を踏み入れたからには､生きては帰れないと思うがいいさ｣
｢う…うわあああぁぁぁ!!｣

茨はどんどん人間たちに絡み付き､地面へと引きずり込んでいく
しかし2人ほど､ずた袋を持って走り出し逃げてしまった

マルフィ｢逃げられましたね…｣
マレフィセント｢恐らく翼が入った袋を持っていったんだろうね…全く…｣
ディアヴァル｢マレフィセント様?｣

マレフィセントは縛られ傷だらけの幼いドラゴンに近付く

マレフィセント｢随分とまぁ…派手にやられたねぇ｣
『……ｸﾞ…ｩ…ｼｭｰ……ｯ』
マレフィセント｢まだ息はあるようだね｣

ドラゴンは酷い有様だった
片方の翼は切り取られ､首元にも深い切り傷があり､鱗も所々剥がされあちこちから血が流れていた

マレフィセント｢…｣

そっとドラゴンに触れようとしたマレフィセントの手に気付き､ドラゴンの伏し目がちだった瞳は恐怖に見開かれ､マレフィセントを凝視し､逃げようともがいた

『ｼｭｰｯ…ｼｭｰｯ…!』
マレフィセント｢こらこら動くんじゃないよ､傷が悪化するよ｣
『ﾌｰｯ…ﾌｰｯ…!』
マレフィセント｢やれやれ…ディアヴァル､マルフィ､押さえておいてくれないかい?｣
マルフィ｢はい｣
ディアヴァル｢どうするんですか?こんな傷だし､助からないんじゃ｣
マレフィセント｢黙って押さえるんだよ｣
ディアヴァル｢…はい｣

マルフィとディアヴァルはマレフィセントの言う通り暴れて逃げようとするドラゴンを宥めながら押さえる

ディアヴァル｢…ほら､じっとしてろ｣
マルフィ｢大丈夫､傷付けたりはしないさ｣