片翼の竜【ヴィランズ手下】 (ページ21)

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第19話ページ21

─ホテル･ハイタワーへの道にて──

エイトフット｢マスターの使いって､お前のマスターは誰なんだ?｣
『えっと､マレフィセント様です』
エイトフット｢マレフィセント様って…マルフィと同じかよ｣
『そうですけど……貴方のマスターは誰なんですか?…多分言われてもわかんないと思いますけど…』
エイトフット｢俺のマスターは海の魔女アースラ様だ｣
『海の…魔女?』
エイトフット｢アースラ様を知らねぇのかよ｣
『すいません…』
エイトフット｢まぁいい……着いたぞ､ここがホテル･ハイタワーだ｣
『ここが……』

見上げるとおどろおどろしくそびえ立つホテル･ハイタワーがあった
かなり高い建物にAは目を丸くした

『お城と同じくらい高いかも…』
エイトフット｢何してる､さっさと来い｣
『は､はいっ』

コツコツとロビーを通りすぎ､奥にあるエレベーターへ向かう
エイトフットがボタンを押すと目の前の両扉がチーンと音とともに開く
初めて見るそれにAはぽかんとしていた

『…』
エイトフット｢?…乗んねぇのか?｣
『…え?』
エイトフット｢俺らのいる階までかなり遠い､階段で行くのはしんどいからな｣
『?』
エイトフット｢早く乗れ｣
『??』

未だによくわからずポカンとしているAを見兼ねたのかエイトフットはグイッとAの肩を掴みエレベーターへ共に乗る

『!?』

エイトフットがボタンを押すと目の前の扉は閉まり､ガタンと動き出した

『!?!?』
エイトフット｢あ､おい!?｣

目の前の扉が閉まり突如動き出した狭い箱のような空間に閉じ込められたAはパニクって慌ててドンドンと目の前の扉を叩く

『～!?!?(半泣』
エイトフット｢何してんだ…っておま泣いてんじゃねぇか!?｣
『～～!?(涙』
エイトフット｢どうしたんだよ!とりあえず扉叩くのやめろ!(汗｣
『～マルフィ～～ディアヴァルゥ～～(涙』
エイトフット｢あぁあぁ落ち着けって!お前…もしかしてだけどエレベーター乗んの初めてだったか?｣
『??(涙』
エイトフット｢はー…なるほどな……｣

心底わからないと言った表情でボロボロ怯えて泣いているAに､エイトフットはやっちまったと後悔し､落ち着かせるためAを抱きしめポンポンと規則正しいリズムで撫で､度々大丈夫だと声を掛ける

エイトフット｢(やべぇ､多分マルフィに怒られるわコレ)｣

そしてようやくAが落ち着いたところで､エレベーターは目的の階へ到着した