片翼の竜【ヴィランズ手下】 (ページ16)

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第14話ページ16

そしてマルフィがディズニーシーへと行き､数日がたった

『…』

城のベランダから外を眺めるA
深い溜息をつく

ディアヴァル｢よ､どうしたんだ?｣
『ディアヴァル…』

ディアヴァルがAの隣でベランダの手摺に寄りかかる

ディアヴァル｢マルフィいなくてそんなに寂しいか?｣
『当たり前でしょ…』
ディアヴァル｢そうかぁ…?｣
『だって…私にとってディアヴァルとマルフィは……』
ディアヴァル｢ん?俺らがなんだって??｣
『……なんでもないや』
ディアヴァル｢なんだよそれ｣
『それに…ため息ついてたのは寂しいからだけじゃないし』
ディアヴァル｢?他には?｣
『…』

Aは目を細め遠くの景色を見つめる

『他の世界が…どんなものなのかなって…』
ディアヴァル｢…｣
『別に今の生活が嫌とかそんなんじゃないんだよ?マレフィセント様達と暮らす事にはすごく幸せを感じてるし……でも』

Aの目は目の前にある景色ではない､どこか遠いところへの憧れが込められていた

『翼があった頃は空を飛んでどこへでも行くことも出来た…新しい何かを見つけることが出来た……でも…今はもう……自分の力じゃ……他の世界には行けないの…』
ディアヴァル｢…｣
『……なんてね､別に新しい世界なんて知らなくったって生きていけるし…私は今のままで全然幸せ!』
ディアヴァル｢…本当か?｣
『ほんとだよ…だからそんな心配しないでよ､もう子供じゃないし!』
ディアヴァル｢俺から見たらまだまだ子供だけどなぁ｣
『ちょっとディアヴァル!』

───

inマレフィセントの部屋

ディアヴァル｢マレフィセント様…｣
マレフィセント｢言わなくても分かるよ､Aの事だろう?｣
ディアヴァル｢!…ひょっとして聞いてました?｣
マレフィセント｢あぁ､杖からね｣
ディアヴァル｢…本当に､Aを1人残して置くんですか?｣
マレフィセント｢…そうだねぇ……｣

マレフィセントはやれやれと溜息をつく

マレフィセント｢確かに不安さ……それに…あの子が言ってたように…別の世界を見せてやりたいとも思う……けれどまだあの子は幼い…いくら見た目が大人でも…心はまだまだ幼子だよ……まして人間が沢山集まる場所だ……過去をぶり返してパニックになってもおかしくない…｣
ディアヴァル｢でも…心が幼いなら尚更1人にさせるのは……もし人間が城へ来たら…｣
マレフィセント｢……どうしたものかねぇ｣