恋の音＜3＞

今はただ耐えて【DH】 ページ49

俺の腕の中で眠っているAの頬をそっと撫でた。



時よりうなされて、涙を流すA。




あいつの夢を…見てるのだろうか。






仕事が終わって、いつものようにAに電話をかけた。



何回かけなおしても電話に出ないから



心配になって家に行ったらｿﾝｱちゃんがいて。





ずいぶん前に買い物に行ってまだ戻ってない。





ﾄｩｷﾞﾋｮﾝとﾋﾁｮﾙﾋｮﾝも一緒に探してくれて、



暗い夜道で見つけたAの姿は、あまりにも酷くて…




地獄絵図っていうのは、まさにこのことを言うんだろうかって思った。






あと少し遅れていたら…



Aは壊れてしまっていたかもしれない。





俺はどんなことがあってもこの人だけを愛すって誓ったのに、




Aの悲しげな瞳が不安を物語っていて…




まるで、



"私は汚れてしまった"



とでも言うかのように。





こんなとき、なんて言葉をかけてあげればいいのか…




俺はただ抱きしめることしかできなくて、




こんなにも愛してるってことをどうやったら全部伝えられるのか…





俺にはただ君だけなのに、



ただ愛してるだけなのに、




なんで彼女がこんなに傷つかなくちゃいけないんだろう。




なんでAばっかり…





DH『ごめんな…』





"PLLLL.."




と、ふとなった俺の携帯。



静かにﾍﾞｯﾄﾞから抜けて、電話に出た。





DH『…もしもし?』



LT＜俺だけど…＞



DH『ﾋｮﾝ。』



LT＜Aは?もう寝た?＞



DH『うん、気持ちよくは寝れてないみたいだけどね…』



LT＜ﾄﾞﾝﾍﾔ、＞



DH『…はい?』




LT＜この世は不公平なことばかりだし、

　 辛いことばかり起きて、そればかり記憶に強く残る。＞




だけどね、ﾄﾞﾝﾍ。



一番辛いことを乗り越えれば



あとの不幸もすべて幸せに変えることができるんだよ。



今が2人にとって一番辛い時なら、



この先はきっと幸せなことばかりだよ。



だから、今は幸せのための試練だと思って…



2人でしっかり支えるんだ。




DH『ﾋｮﾝ…』





ﾄｩｷﾞﾋｮﾝの言葉に胸が熱くなって



誰にも聞こえないように泣いた。




今が耐え時…



これからは、きっと幸せが待ってる。




そう、信じよう。

馬鹿な女→←繋がり【YOU】

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す