恋の音＜3＞

嫌な雨【DH】 ページ36

DH『ｼﾞﾆ、お前わかってるだろ…

　 俺が今どこにいるのか。』



ｼﾞﾆ＜…わかんない。＞



DH『ｼﾞﾆ…俺はお前の事好きだよ、

　 だけど、それは後輩としてだってこと…この前も言ったよね?』




ｼﾞﾆ＜でもっ…＞



DH『Aを、もう傷つけたくないんだ。』




もうこれ以上…俺のせいで泣かせるわけにはいかないんだ。



嫉妬も、不安も、弱さも抱えてるAを



これ以上我慢させちゃいけないから。





ｼﾞﾆ＜…Aさんじゃなきゃ駄目なの?＞



DH『…うん、』



ｼﾞﾆ＜どうしても…?＞



DH『うん。』



ｼﾞﾆ＜…ｵｯﾊﾟ…＞



DH『…ん?』




ｼﾞﾆ＜私、諦めないから。＞




DH『ｼﾞｎ、



ｼﾞﾆ＜絶対、ｵｯﾊﾟの一番になってみせる。＞





俺の声を遮ったｼﾞﾆになにも言えずにいると



そのまま電話は切れてしまった。





DH『ﾊｧ…。』





重たい体をﾍﾞｯﾄに預けて、窓の外を眺めた。




…なんだか嫌な雨だ。




静かにしていると聞こえてくる激しい雨音と



時より強く吹く風に揺れる窓。





DH『A、どこいったんだよ…。』





その時、ふと頭をよぎった不安。



俺は体を起こして、携帯の着信履歴を見た。





いくつかの、着信履歴と…



2件の通話履歴。




ひとつは、今俺が今でたｼﾞﾆからの電話…




もうひとつは、俺が起きる数十分前に




ｼﾞﾆからかかってきていた電話の



通話履歴。




この電話…俺は、でてない。



それじゃあ、電話に出たのは…





DH『A…?』





心臓が、ﾄﾞｸﾝと重い鼓動を打った。




たった5分ほどの短い電話。




なにを…話したんだ、






DH『っっ、、、』



"PLLL...PLLL..."






すぐにかけなおした電話。



でも、ｺｰﾙ音が鳴り響くだけ。





DH『出ろ、出ろよｼﾞﾆ…!!!』




"PLLL...PLLL..."




DH『くそっ…なんで出ないんだよっ、』




"ﾎﾞﾌｯ―"




持っていた携帯をﾍﾞｯﾄに強く投げた。





DH『A…っ』





吐く息が熱い、




目の前がｸﾞﾗｸﾞﾗと揺れて




身体が思うように動かずいう事をきかない。






でも、Aはきっと泣いてる





俺の見えないところで一人で泣いてる





もしかしたら雨の中ずぶ濡れで泣いてるかもしれない、






そう思ったら家を飛び出さずにはいられなくて、



雨の中傘もささず、ｴﾝﾄﾗﾝｽを出た。

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