茂庭＊暇 ページ15
·
・茂庭要のやきもち
・リクエストは島兄妹様より
……………
「また来たんすか、Aさん」
バレー部の練習を眺めていたら、二口が皮肉るように笑って話し掛けてきた
「何すか、暇なんすか」
「そうだよ、暇だよ！」
私がマネやってた時とまるで変わらない、相変わらず憎たらしい後輩だ
ふん、暇で悪かったですね
「てか、今日は一人なんですね？」
「……え」
尖らせていた口が、間抜けな声を零す
「ま、まあね」と咄嗟にごまかしたけれど、二口相手にそんなのは通用しないらしく
ニヤリと笑う二口から、そろーり目を逸らした
「喧嘩したんでしょ、茂庭さんと」
ぎくり
「だから暇になって、そんで部活の邪魔しに来るとか、どんな先輩なんすか」
やれやれ、なんて言葉がお似合いの素振りで、二口は私を覗き込んでへらっと笑った
見事に図星な私が、むっと頬を膨らませた、その時
「あっ、A！ ここに居たの！？」
耳に届いた声に、反射的に体を背ける
だって
わざわざ探しに来てくれた茂庭に、申し訳なさと嬉しさの混ざった顔、見られたくない
「……二口新主将を見てたの、暇だから」
ああもう、言いたい事はもっと他にあるのに
本当はいつもみたく、茂庭と二人で過ごしてたいくせに
「暇って、お前」と溜め息が聞こえた
「今日一日避けまくられた挙句、探して見つけたら二口と一緒とか」
と、同時に
「…さすがにちょっとキツいんだけど」
静かに腕が引かれて傾いた体が、面倒くさげな表情の二口から遠のいて
そのまま、茂庭に連れられ体育館の外へ
「お前が二口のとこ行くくらいなら、いくらでも謝るからさ、だから、」
不意に茂庭の腕が私を包んでふわり、好きな人の匂いが香る、胸が幸せで満たされる
「俺から離れないで」
まるで、魔法みたいに
茂庭の温もりは私の心を溶かしていった
·
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 824人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
花姫~Hanahime~ - 京谷賢太郎が夢主は岩泉君と付き合っていると思っているという勘違いでヤキモチしているのをリクエストをお願いします (2022年10月22日 23時) (
レス) id: 0be6243c60 (このIDを非表示/違反報告)
にあ - 尊すぎて尊い結婚したい (2020年10月17日 16時) (レス) id: 7db8325854 (このIDを非表示/違反報告)
すずな - マッキーが可愛すぎる件について (2020年1月12日 21時) (レス) id: e6917f59b8 (このIDを非表示/違反報告)
アニネコ - こんばんは。リクエストですけど、牛島さんで床ドンと天童さんで壁ドンと牛島さんと及川さんでダブル壁ドンお願いします!! (2019年6月16日 23時) (レス) id: 4f283aba3e (このIDを非表示/違反報告)
林檎(プロフ) - もう皆の嫉妬めっちゃ可愛いです！！あと、リクエストなんですけど牛島さんとかで無意識に嫉妬とかどうですかね？ (2019年5月30日 19時) (レス) id: 45f25e106d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
