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お腹も、心も、双方幸せで膨れた帰り道

手が触れそうな微妙な距離が、私と太宰さんの間で私をからかっていた



「今日は有り難うございました」

「こちらこそ、有り難うね」

「どの料理も美味しかったですね」

「私はAちゃんの手料理が好きだけど」



だからそういうの、反則ですってば

変な気を紛らわそうとしてるのに、ちっとも上手くいきそうにない

不満な訳じゃないけれど、でも




「あ、太宰さん!」



少し離れたところに見つけた、歩道橋の階段

太宰さんを呼び掛けて共に駆け寄って一段、それじゃ足りなかったからやっぱり二段、三段

不思議そうにする太宰さんを他所に、私はそんな風に階段を数歩上ると




「___ほら、同じ目線!」




得意げに振り向いて見せた

そこには不意を突かれたような太宰さんの瞳が、いつもより近く、いつもよりそばにあって

太宰さんって背が高いな、私に目線を合わせるの大変じゃないかな、もっと近くで見たいな

いつもそう、思ってた

笑われるかもしれないけれど、って、太宰さんの表情を確かめようとしたら



「Aちゃん、だめだよ」

「え、だめって何が、で、す……か……」



声を飲み込みかけた



「太宰さん、もしかして」



見たらだめ、と、念を押すように

私に云い聞かせた声はその後、少し沈黙による間を開けた後に



「……今の私、とんでもなく恰好悪いから」



余裕のない声色で呟かれて、口もとを手で覆った顔を大きく逸らされて

代わりに目に入ったのは、蓬髪の隙間を縫って赤らんでいる、太宰さんの耳だった

こうして、太宰さんの照れる姿を目の当たりにするのは初めてで、そんな太宰さんへ私は




「べ、別に、恰好悪いだなんて思いませんし、むしろ嬉しいです」




私なりに追い討ちを掛けてみたりする

いつも私を魅了してばかりの太宰さんに、気持ちばかりの仕返しにでもなっただろうか

とか心に思ってみるけど

私の頬だって負けないくらい、赤く赤く染まっているものだから、結局この勝負は相討ちのようだった




「……これ以上好きにさせてどうするつもり?」




なんて云って、困ったようにはにかむ彼は、そっと私の手を取り階段を下りるのを手伝ってくれて

じれったい距離をようやく失くした手と手は、その後は離れることなく、繋がれたままだった



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カズハ(プロフ) - 太宰さんの言葉選びが最高すぎてキュンキュンしました!!ありがとうございます!! (8月7日 3時) (レス) @page50 id: a9129a72cb (このIDを非表示/違反報告)
カカオ - すみません。「 やきもち日和」のパスワードは何ですか? (2018年6月8日 0時) (レス) id: bcda3478dd (このIDを非表示/違反報告)
神羅°(閲覧専用)(プロフ) - 最高です!!太宰さんがかっこよすぎてキュンキュンしちゃいました(歓喜)ありがとうございますw (2018年3月18日 1時) (レス) id: 7fad23618c (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 太宰さんかっこよすぎて、キュンが止まりませんでした!完結おめでとうございます! (2018年3月4日 1時) (レス) id: fe3c394919 (このIDを非表示/違反報告)
サッピー(プロフ) - この話最高でした!もう一途な太宰さん最高!ついつい顔がにやけてしまいました!完結おめでとうございます!! (2018年2月16日 12時) (レス) id: d2c3ca49e1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:どんぐり | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2017年8月16日 17時

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