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「ど、どうしよう……」


五分前に役目を果たした目覚まし時計

音を止めてからも、変わらず時を刻み続けるそれを相手に、私は正座で項垂れていた


今日は非番だ

こんなに早く起きなくても良かったし、ゆっくり二度寝なんて幸せな選択も許される

それでも、頭を過ぎるのは


___ " 毎朝待ってるからね、Aちゃん "


今日非番じゃないお隣さんのこと





「私が起こさなきゃ、起きないもんなあ」



全くではないにしろ、私と出勤するようになってから太宰さんの遅刻が減ったと、国木田さんにお礼を云われた身だった

相変わらず国木田さんの期待はこの背中にある

私としてももちろん、太宰さんに仕事をしてもらわなきゃ困るし

そうなんだけど




「ど、どんな顔して起こせば?」



昨日、自覚してしまったあの時から

莫迦みたいに胸を鳴らせて、どうしようもなく太宰さんのことばかり考えて、それで、一人で好きに赤くなって

今、太宰さん本人を前にしてしまったら、おかしくなっちゃう気がする


今更何なのって、すっかり惚れ入ってる自分に呆れたし罪悪感も感じたし、すごくすごく戸惑った

どうしよう

想像しただけで勝手に意識してしまって、喋ることすら緊張で出来そうにない



「やっぱりだめだ……」



こんな情けない私を見られたくなくて、どうか顔を合わせたくなくて

だから私は、口実を作ることにした







「……よし」



財布も持った、スマホも持った

適当に選んで身に纏った服は、大きめの外套に包み込んで隠した

無造作に髪を梳かせば準備はお終いである


今から向かうのは、少し先にあるコンビニ

冷蔵庫が空だったなんて、ちょっと無理のある理由を付けて、こんな朝早くに家を出るのだ

だって、用事があったことにしてしまえば、太宰さんを起こさなくて済む

そしたら朝起こす以外に、太宰さんと関わる必要性はない筈だから



靴を履きがてら、鍵を開けて、何気なく玄関の戸をがちゃりと押した

____その拍子に

見えた外の方から「わっ」と、聞き覚えのある声の驚いた様子が耳に届いて、どきりとする




「Aちゃん、起きてたの?」




今日は非番なのに偉いね、なんて



「あ、えと、だざい、さん」



開いた扉の隙間から入り込む、ひんやり冷たい空気をものともせず、体温が一瞬で舞い上がった



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カズハ(プロフ) - 太宰さんの言葉選びが最高すぎてキュンキュンしました!!ありがとうございます!! (8月7日 3時) (レス) @page50 id: a9129a72cb (このIDを非表示/違反報告)
カカオ - すみません。「 やきもち日和」のパスワードは何ですか? (2018年6月8日 0時) (レス) id: bcda3478dd (このIDを非表示/違反報告)
神羅°(閲覧専用)(プロフ) - 最高です!!太宰さんがかっこよすぎてキュンキュンしちゃいました(歓喜)ありがとうございますw (2018年3月18日 1時) (レス) id: 7fad23618c (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 太宰さんかっこよすぎて、キュンが止まりませんでした!完結おめでとうございます! (2018年3月4日 1時) (レス) id: fe3c394919 (このIDを非表示/違反報告)
サッピー(プロフ) - この話最高でした!もう一途な太宰さん最高!ついつい顔がにやけてしまいました!完結おめでとうございます!! (2018年2月16日 12時) (レス) id: d2c3ca49e1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:どんぐり | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2017年8月16日 17時

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