【文スト】包帯アレルギー

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" 包帯アレルギーが治れば "
" 君は私に告白する "



絶対ないと云い切れず真っ赤になる君を見たら、期待だって、自惚れたりだって、してしまうよ？

包帯なんてのは、赤い糸でも手錠でもなくて、ハサミなんかで切ってしまえばそれきりだけど

そんなことをして私が許すと思うかい、と

少し声を低くして判りやすい言葉を掛ければ、Aちゃんは困ったように大人しくなった


＿＿＿＿ごめんね、Aちゃん

私も案外、余裕がないのだよ、どうしても君の隣での時間を過ごしたくてね



「寒いねえ、Aちゃん？」

「……そ、うですね」



国木田君の目を上手くかい潜り、Aちゃんを連れて出た外にて

可愛い反応を隠せていない返事が聞こえたのは

息が白く染まる中、手を外套のポケットへ＿＿もちろん左の方には君の右手も一緒に＿＿突っ込んだからだ



「あ、の、太宰さん」

「ん、なあに？」



聞き返す振りをして、その中で君の手を握った

指を絡めて包み込んで

ぎゅっと、君への愛おしさを込めた



「え、っと……その……」



きっと私を避けるための苦肉の策だっただろう " 包帯アレルギー " の君が

私が見てるのにも気が付かないで、躊躇なく包帯を手に取って、即刻敦君の手当てに当たるのだもの

否、見てると云うよりは、その眩しくて優しい君の背中に見惚れてたと云う方が正解だ


＿＿まあ、でも

そういうところも好きだよ、好きだけれど

敦君の心配で頭がいっぱいな君に、少し寂しい思いをしたのは秘密だ





「嫌がっても良いのだよ？」



なんて、心にもないことを抜かす私の口

そしたら君は悔しそうに、目だけを逸らした赤い表情をこっちに向けて

何とも愛らしい云い訳を述べるのだ



「……手が結ばれてるの、見られないため、です」

「ふふ、成る程、そうだね」




可愛い君を笑いながら思う

悪いけれど、存外私はまだまだ子供らしい


君の吐いたあまりに下手くそな嘘に、意地になって付き合ったりしてしまうし

それに君にあげた二つ目の予言、あれは

包帯アレルギーなんて茶番を終わらせたって、ちゃんと君の口から想いを伝えてくれなきゃ聞いてあげないよって

そんな遠回しな私の仕返し

好きな子に意地悪をしたくなる、よくある子供心




「そうだ、駅前の喫茶処(カフェ)に行こうよ」




君がそれを理解するまで、後どれくらいかな？



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