ー真の主将ー３

作った顔 ページ31

ー新垣sideー






，





何だろう…。




体に力が入らなくてそのままずるずるとしゃがみこんだ









色んな感情溢れてきて何だか気持ち悪い。







，






バレーを辞めるのは少し前から決めてた。








これ以上やっててもどうにもならないと思ったから。








部活だってもう予選エントリーが終わってるはず。









監督が重い荷物を下ろしてくれたけど、

その重みがあって成立してた俺の体は


まさに宙ぶらりんだ。








あー、荷物まとめなきゃ…








，







？「ちょ、A！？大丈夫か！？」








頭では分かってるのに体はなかなか動いてくれなくて、


そのままの体制でいると誰かが駆け寄ってくれた。









声的に杉野さんだな...。






顔を上げると予想通りの杉野さんと


まさかのチームの主将、宮本さんもいた









壁を使って急いで立ち上がり宮本さんに頭を下げると


その拍子に少しふらついたのを杉野さんに支えてもらった









杉「今日はもう休んでなよ。こんなフラフラでプレーすんのは危ないから」








杉野さんの言葉に自嘲を漏らし、杉野さんから離れた









，





「さっき、代表から外すと言われました。今から荷物纏めようと思ってたんですけど、身体が動かなくって。もう大丈夫です。心配かけてすみません。今までありがとうございました」









頭を下げた俺に宮本さんが「顔上げろ」と言ったため顔を上げると

俺の両肩を掴んで目線を合わせた









，





宮「１回。

１回だけでいいから部活に顔を出すんだ。
それで自分の正直な気持ちを伝えろ。
次にお前が戻ってくるときにはその作った笑顔を出すことの無いようにしろよ」









宮本さんは俺の頭をクシャクシャに撫でると杉野さんを連れて行ってしまった









，






，







俺、そんなに作った顔だった？






普通にしてるつもりだったのに...。









，






いつまでもここに居る訳にもいかず、

部屋に戻り早急で荷物を纏めてから新幹線の時間を調べて


監督に出ることを告げて、









チームのみんなにはあまり言いたくなかったから何も言わず仙台行きの新幹線に乗った

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